「Googleマップで上位表示されない」とご相談をいただくとき、その多くは順位が下がったのではなく、そもそも表示の対象に入っていない状態です。この記事では、その切り分け方を上から順に書きます。
この記事が答える質問は1つです。「Googleマップで上位表示されないとき、何を、どの順番で確かめればよいのか」。読み終えたときに、いまご自身の店舗がどの段階で止まっているのかを、自分で判断できる状態を目指します。
MEOの外注先を比べている段階の方に向けて書いています。まだ何もしていない状態で「対策とは何か」を知りたい方には、少し細かすぎる内容かもしれません。
順位が付いていないのか、順位以前なのか
最初に分けておきたいことがあります。「上位表示されない」という言葉は、性質のまったく違う2つの状態をまとめて指しています。
順位が下のほうにある状態
検索結果の一覧をスクロールしていけば、自分の店舗が見つかる状態です。20番目でも50番目でも、載ってはいます。この場合は、競合との相対的な位置の話になります。
そもそも一覧に出てこない状態
どれだけスクロールしても出てこない。あるいは、店名で直接検索したときしか出てこない。こちらは順位の問題ではありません。情報が足りていないか、審査を通っていないか、検索されている言葉と結びついていないか、のどれかです。
この2つを混ぜたまま外注先に相談すると、話が噛み合いません。順位を上げる提案を受けても、そもそも一覧に入っていないなら、その提案は効きません。まずどちらなのかを、ご自身で確認しておいてください。確認のしかたは、このあとの手順に書きます。
その順位、どこで検索した結果ですか
切り分けに入る前に、前提を1つ揃えさせてください。ここが揃っていないと、以降の確認が全部ぶれます。
地図の検索結果は、検索した場所によって変わります
Googleは公式のヘルプで、ローカル検索結果の掲載順位を決める要素として「関連性」「距離」「視認性の高さ」の3つを挙げています(Google公式ヘルプ「ローカル検索結果の掲載順位を改善する方法」・2026年8月時点)。このうち「距離」は、検索した人がどこにいるかで変わります。
つまり、店舗の中で検索したときの順位と、駅前で検索したときの順位と、自宅で検索したときの順位は、それぞれ別のものです。同じ日の同じ時間でも違います。
「1位になりました」という報告の読み方
この仕組みがあるので、順位の報告は必ず条件とセットで見る必要があります。どの地点から測ったのか。その地点は、実際にお客様がいる場所なのか。
店舗のすぐ目の前から測れば、多くのお店が上位に出ます。それは対策の成果というより、距離の要素が効いているだけかもしれません。報告を受け取るときは「どこから測った数字ですか」と一度聞いてみてください。これは今日から使える確認です。
自分で確かめるときも同じです
ご自身で順位を見るときも、店内から検索した結果だけで判断しないでください。お客様が実際に検索しそうな場所、たとえば最寄り駅の周辺や、少し離れた住宅街から見たときにどうか。そちらのほうが実態に近くなります。
切り分けの段階1:情報が「公開されている」状態になっているか
ここから順番に見ていきます。上の段階が詰まっていると、下の段階をいくら直しても表示されません。
オーナー確認が終わっているか
Googleビジネスプロフィールは、登録しただけでは編集内容が反映されない場合があります。オーナー確認(ハガキや電話などによる確認)が完了しているかどうか。管理画面にその案内が残っていないかを見てください。
停止・保留になっていないか
プロフィールが一時的に停止されている状態があります。この場合、管理画面には入れても、地図の検索結果には出ません。管理画面の上部に警告が出ていないかを確認してください。
非公開設定になっていないか
店舗を持たず訪問型でサービスを提供している場合、住所を非公開にする設定があります。この設定と、サービス提供地域の設定の組み合わせによって、出方が変わります。意図せず非公開になっていないかを見ておいてください。
切り分けの段階2:カテゴリが検索語と結びついているか
段階1が問題なければ、次はここです。私の経験上、外注先の提案で差が出やすいのもこの部分です。
メインカテゴリが1つだけ特別扱いされます
Googleビジネスプロフィールには、メインカテゴリを1つと、追加カテゴリを複数登録できます。このうちメインカテゴリの影響が大きいとされています。
たとえば同じお店でも、メインを「カフェ」にするか「喫茶店」にするか「ケーキ屋」にするかで、拾われる検索語が変わります。ここは一度決めたら放置されがちな項目です。いつ決めたのか、なぜそれにしたのかを、思い出せるでしょうか。
「上位表示させたい言葉」と「カテゴリ」がずれていないか
ここで確認してほしいことがあります。上位に出したい検索語を紙に書いてみてください。「地域名+業種」の形になっているはずです。その業種の部分と、いま登録しているメインカテゴリは、同じことを指していますか。
ずれているなら、順位の話ではなくカテゴリの話です。この場合、口コミを増やしても投稿を増やしても、狙った言葉では出てきません。
カテゴリを変えるときの注意
ただし、カテゴリの変更は慎重に扱う必要があります。カテゴリによって、管理画面で使える機能(メニュー、予約、商品など)が変わることがあるためです。今出ている検索語での表示にも影響します。
変えたほうがよいと判断した場合でも、変える前の状態を記録してから変えてください。戻す判断ができなくなります。
切り分けの段階3:情報の量と鮮度が、競合と比べてどうか
段階2まで問題なければ、次は比較の話になります。ここからは絶対的な正解がなく、周りとの相対で決まります。
上位3件を開いて、自分のプロフィールと並べてみる
狙っている検索語で実際に検索して、上に出ている3件を開いてください。そして自分のプロフィールと、次の項目を並べて見比べます。
- 写真の枚数と、最後に追加された時期
- 営業時間が、祝日や特別営業日まで入っているか
- 商品やメニューの情報が入っているか
- 説明文が書かれているか、そこに何が書かれているか
- 属性(テイクアウト可、駐車場ありなど)がどこまで埋まっているか
この作業は外注しなくてもできます。そして、外注先を比べるときの材料にもなります。ここを見比べたうえで提案を受けると、その提案が実態に合っているかどうかが分かります。
埋まっていない項目は、順位以前に選ばれない理由になります
仮に一覧に出ていても、写真が2枚しかなく営業時間も曖昧なら、お客様は隣の店を選びます。順位を上げることと、選ばれることは別の話です。
私自身、業務委託でMEOの運用代行をしていて、基本情報の整備は毎回いちばん先に触る場所です。派手さはありませんが、ここが抜けていると後の作業が効きにくくなります。
切り分けの段階4:口コミの状況を、数と中身の両方で見る
ここも相対の話です。ただし、数だけを見ないでください。
件数、平均点、最後に付いた日
この3つを、上位3件と自分とで並べます。件数が多くても、最後の口コミが2年前なら、動いていない店に見えます。逆に件数が少なくても、直近に付き続けているなら印象は違います。
返信が付いているかどうか
返信は、お客様から見える要素です。上位の店が全件に返信していて、自分は0件なら、そこは差になっています。
口コミを増やす方法の提案を受けたときは
ここで1つだけ注意点があります。口コミの集め方には、Googleのポリシーで認められていないやり方があります。金銭や割引と引き換えに集める形などです。
外注先から口コミを増やす提案を受けたとき、その方法が具体的に書かれているかを見てください。「口コミ獲得支援」とだけ書かれていて、中身が説明されていないなら、そこは聞いてください。何をするのかを説明できない提案は、受け取る側がリスクを負うことになります。
切り分けの段階5:投稿と更新が続いているか
最後の段階です。ここまでの4つが整ったうえでの話になります。
Google投稿は、掲載順位そのものより「見られる面」として考える
Google投稿(プロフィール上に出る短い投稿)は、検索した人が店舗の詳細を開いたときに見えます。順位を直接動かすというより、開いてもらったあとに効く場所です。
更新が止まると、情報の鮮度が落ちていきます
営業時間の変更、季節メニュー、臨時休業。こうした情報が古いままだと、それ自体がお客様を逃す原因になります。順位より前に、来店の可否に直結します。
この段階だけを提案されたときは、上の段階を確認してください
MEOの提案で、投稿代行が中心に書かれていることがあります。それが悪いわけではありません。ただ、段階1から4が詰まったままここだけをやっても、表示は変わりにくいです。提案書を読むときは、投稿以外の作業がどこまで含まれているかを見てください。
上から順に確かめるための、そのまま使える手順
ここまでの内容を、実際に上から順に確かめられる形にしました。上で止まったら、そこが原因です。下は見なくて構いません。
- 店名そのもので検索する。出てこないなら、段階1(公開状態)の問題です。オーナー確認と停止の有無を先に見てください。
- 店名で出るなら、狙っている「地域名+業種」で検索する。ここで一覧に出てこないなら、順位ではなくカテゴリを疑います。
- 検索する場所を3か所に変えて、同じ言葉で検索する。店内、最寄り駅、少し離れた場所。3つとも書き留めます。この3つの数字が、以降の比較の基準になります。
- 登録しているメインカテゴリを確認し、2番の検索語と並べて書く。言葉が指しているものが同じかどうかを見ます。
- 上位3件のプロフィールを開き、写真枚数・営業時間の細かさ・商品情報・説明文・属性の5項目を書き出す。自分のぶんも同じ形式で書きます。
- 口コミの件数・平均点・最後に付いた日・返信の有無を、同じ4件ぶん並べる。ここまでで、比較表が1枚できます。
- この比較表を持って、外注先の提案を読む。提案されている作業が、表の中の空欄を埋めるものになっているかを見ます。
- 3か月後に、3番と同じ3か所で測り直す。測る場所を変えると比較になりません。同じ場所で測ってください。
1番から6番までは、外注しなくても自分でできます。そしてこれをやっておくと、複数社から提案を受けたときに、どの会社が自分の店の実態を見て書いているかが分かります。
切り分けの段階は、そのまま見積もりの内訳になります
ここからは費用の話です。ただし、額の話ではありません。MEOの見積もりが動く理由は、順位の高さではなく、上の段階のどこからどこまでを人が触るかで決まります。ここが分かっていると、複数社の見積もりを比べる作業がかなり楽になります。
「見る」までか、「直す」までか
いちばん大きい分かれ目がここです。基本情報や口コミの状況を確認して報告するところまでか、実際に書き換えて整えるところまでか。前者は段階1から2を見る作業、後者は段階3以降を動かす作業です。作業として別物なので、見積もりも別の水準になります。
提案書に「最適化」「運用代行」とだけ書かれている場合、このどちらなのかが読み取れません。そのときは「直すところまで入っていますか」と一言聞けば決着します。
店舗の数と、管理するアカウントの数
MEOは、店舗ごとにプロフィールが1つあります。2店舗あれば、確認も更新も口コミ返信も2倍になります。店舗数が増えると上がり、1店舗に絞ると下がる。ここは単純です。多店舗の場合、「1店舗あたり」なのか「全店まとめて」なのかを、最初に確認しておいてください。
口コミの返信を、誰がどこまで書くか
返信は、テンプレートを渡してもらうだけの形と、1件ずつこちらで書いて投稿する形があります。さらに、全件に返すのか、低評価だけ相談を受けて返すのかでも変わります。件数が読めない作業なので、上限が書かれているかどうかも見てください。
Google投稿を何本作るか、写真を誰が用意するか
投稿の本数は、そのまま作業量です。そして本数より効くのが写真の出どころです。店舗側から送ってもらう形か、こちらが撮りに行く形か。撮影に行くとなると、回数・1回あたりの時間・移動が全部乗ります。ここは金額が最も動きやすい場所です。
レポートに何が入るか
管理画面の数字をそのまま出すだけの形と、順位を決まった地点で測って推移を出す形と、次の月に何を変えるかまで書く形があります。測る地点を増やせば、その手間が乗ります。「順位レポート付き」と書かれていたら、何地点を、どの言葉で測るのかまで聞いてください。
どこまで丸投げするか
最後に、判断をどちらがするかです。営業時間の変更や臨時休業を、店舗側が管理画面に入れるのか、こちらへ連絡して代わりに入れるのか。丸投げに近づくほど上がり、店舗側で手を動かす部分が増えるほど下がります。どちらが正しいという話ではなく、店舗に月どれくらいの時間が取れるかで決めてください。
見積もりを横に並べる前に、揃えておく3つのこと
条件が違うまま並べても比較になりません。次の3つだけ先に揃えると、比べられる形になります。
同じ条件を、こちらから渡す
店舗数、狙っている検索語、口コミの月あたりの件数、投稿の希望本数、撮影に出せる時間。この5つを1枚に書いて、各社に同じものを渡してください。各社が別々の前提で書いた見積もりは、どれだけ眺めても比べられません。上の手順で作った比較表があれば、そのまま材料になります。
内訳を分けてもらう
一式でまとめられていると、どこにいくら乗っているのかが分かりません。「初期の整備」「毎月の確認と更新」「口コミ返信」「投稿制作」「レポート」に分けて出してもらってください。分けて出せない会社は、社内でも作業を分けて見ていない可能性があります。
含まれないものを、先に聞く
含まれるものの一覧は提案書に書いてあります。書かれないのは、含まれないもののほうです。「これは別料金になるものを教えてください」と聞くのがいちばん早いです。写真の撮影、店舗の追加、繁忙期の投稿の増量、他媒体への展開あたりが、後から出てきやすい項目です。
当社のMEOの範囲についても、店舗数や作業の範囲を伺ったうえでお見積りしています。料金・お見積りのページからご相談ください。
反応が出るまでの期間について
もう1つ、お伝えしておきたいことがあります。
基本情報を直したときの反映は比較的早いのですが、口コミや投稿の積み上げが効いてくるまでには時間がかかります。手応えの無い期間は、実際にあります。
私自身、引き継いだ案件をコンセプトから作り直したとき、やっている最中は効いているのかどうか分からないままでした。手応えが無い時期がしばらく続いたあとで、急に伸びました。クライアントも驚いていましたし、正直、自分でも驚きました。
だから今も、反応が無い期間をすぐ失敗とは判断しないようにしています。ただしこれは「待てば必ず伸びる」という意味ではありません。待ってよいのは、上の切り分けで段階1から4が整っていることを確認できている場合だけです。詰まったまま待つのは、ただ時間が過ぎるだけになります。
この記事を使える段階かどうか
合っているのは、すでにGoogleビジネスプロフィールを登録していて、外注先を比べている段階の方です。手を動かす時間が月に1時間でも取れるなら、上の手順は自分でできます。
合わないのは、まだ登録自体をしていない場合です。その場合は登録が先です。それから、順位の数字そのものを上げること自体が目的になっている場合も、この記事の考え方は合わないかもしれません。ここに書いたのは、来店につながる形で表示されるための切り分けであって、数字を作るための手順ではありません。
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まとめ
「Googleマップで上位表示されないとき、何をどの順番で確かめればよいのか」への答えをまとめます。
順位を上げる方法を探す前に、店名で出るか、地域名+業種で出るか、どこから検索した結果か、の3つを先に確かめてください。ここで止まっている場合、順位対策は効きません。
そのうえで、公開状態、カテゴリ、情報の量と鮮度、口コミ、投稿の順に見ていきます。上の段階が詰まったまま下だけを直しても、表示は変わりにくいです。
そして、比較表を1枚作ってから外注先の提案を読んでください。見積もりが動く理由は順位ではなく、この段階のどこからどこまでを人が触るかです。範囲が分かれば、額の違いも読めるようになります。判断の材料をこちらが持っている状態で話を聞くと、比較は一気にやりやすくなります。
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