ショート動画の制作費用|何で金額が変わるのかを、1本単位と月額に分けて読む

ショート動画の制作費用|何で金額が変わるのかを、1本単位と月額に分けて読む

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ショート動画の制作費用を調べていると、1本いくらという書き方と、月いくらという書き方が混ざって出てきます。同じ「ショート動画を作る」でも、この2つは数え方がまったく違います。

先に結論を書きます。提示された数字を横に並べても、そのままでは比較になりません。同じ言葉で呼ばれている作業の範囲が、会社によって別物だからです。比べられる状態にするには、数字を見る前に「その中に何が入っているか」を揃える必要があります。

この記事では、ショート動画の費用がどこで決まっているのかを分解して、見積もりを取るときに何を聞けばいいかまで書きます。高い安いを判定するのではなく、読み終わったときにご自身で判断できる状態になることを目指しています。

ショート動画の費用は「編集だけ」か「撮影から」かで、別の商品になります

まず、ショート動画の制作を頼むときに提示される形は、大きく2つに分かれます。ここを分けずに数字だけを見ると、必ず読み違えます。

素材をこちらが渡して、編集してもらう形

お店や会社の側でスマホなどで撮った映像を渡し、カット・テロップ・BGM・尺の調整をしてもらう形です。1本あたりの単位で提示されることが多く、数字としては最も低く見えます。

ただしこの形では、「何を撮るか」を決める人がこちら側にいることが前提になります。素材が足りなければ編集で埋めることはできませんし、そもそも見られる企画かどうかの判断も、渡す側の仕事として残ります。安く見えているのは、その工程が数字の外に出ているからです。

撮影から企画まで含めて任せる形

撮影に人が来て、企画も台本も相手側が作る形です。月額のまとまりで提示されることが多く、1本あたりに直すと前者より高くなります。

高くなる理由は単純で、編集の時間に加えて、移動と撮影と設営撤収の時間が乗るからです。撮影に2時間立ち会うということは、その日の半日近くが1社のために消えるということでもあります。受ける側から見ると、ここが数字を押し上げている最大の要素です。

この2つを同じ土俵に並べると、判断を外します

編集だけを請け負う形と、撮影から任せる形を並べて、後者が何倍も高いと読むのは正確ではありません。前者には撮影も企画も入っていないので、その部分を社内の誰かがやることになります。その人の時間は、見積書に書かれないだけで、実際には消費されています。

社内の手間を勘定に入れて考える手順は、SNS運用代行と自社運用はどっち?外注する前に決まる5つの条件に書いています。今回は費用の内訳のほうに絞ります。

1本あたりの費用を動かしている4つの要素

編集だけを頼む場合でも、提示される数字には幅があります。その幅がどこから来ているのかを分けておくと、見積もりが読めるようになります。

1. 完成尺と、預ける素材の量

ショート動画は長くても1分未満です。ただ、完成尺が短いことと、作業が軽いことは同じではありません。30秒に収めるために10分の素材から使える箇所を探す作業は、素材が多いほど時間がかかります。

私自身、独立して最初に受けたのはクラウドソーシングの動画編集でした。当時、1本ごとに提示される条件の差は、ほぼ完成尺と預かる素材の量で決まっていました。今も構造は変わっていません。「短いから安くしてほしい」は、渡す素材が絞れているときにだけ通る話です。

2. テロップの入れ方

全部の発話に字幕を付けるのか、要点だけに大きめの文字を置くのかで、作業量が変わります。ショート動画は音を出さずに見られる前提があるので、テロップは省けない部分です。

見積もりに「テロップ込み」とだけ書いてある場合は、全字幕なのか、ポイントだけなのかを確認しておくと、あとで食い違いません。ここは金額の差より、納品物の見た目の差として出ます。

3. 効果音・BGM・動きのある装飾を入れるか

差が出やすい箇所です。カットとテロップだけの編集と、細かい効果音や動きのある装飾が入る編集では、1本にかかる時間が何倍も違います。低く出ている見積もりは、たいていここが入っていません。

ただし、装飾が多いほど良いわけでもありません。業種によっては、装飾のない素直な映像のほうが合うこともあります。装飾の量は好みではなく、見せたいものに合わせて決めるほうが自然です。この判断を先にしておくと、要らない工程を買わずに済みます。

4. 縦型以外の書き出しが要るか

ショート動画は縦型が基本ですが、同じ素材を横型でも使いたいとなると、テロップの位置から作り直しになります。「同じ動画を横でも」は、実際にはほぼ別の作業です。見積もりの段階で言っておかないと、あとから追加の話になります。

月額でまとめる形は、本数と撮影時間で動きます

撮影から任せる形の場合、数字を決めているのは主に2つです。月に何本作るかと、月に何時間撮影に行くか。この2つが決まらないと、そもそも見積もりが出ません。

本数が倍になっても、費用は倍にならない

当社もリールの運用は、月の本数と撮影時間の組み合わせでプランを分けています。作る本数を増やすほど上がりますが、倍の本数にしても倍にはなりません。撮影の移動と段取りが1回にまとまるからです。

逆に言えば、本数を減らしても、思ったほどは下がりません。撮影に行く回数が変わらなければ、いちばん重い部分は残るからです。予算を下げたいときに削るべきなのは本数ではなく、撮影の回数であることが多い、という順番になります。

撮影の回数と時間が、いちばん大きく効く

月に1回まとめて撮るのか、月に2回に分けて撮るのかで、同じ本数でも前提が変わります。分けて撮るほうが鮮度は保てますが、そのぶん移動と設営が増えます。

撮影に出せる時間をこちら側で先に決めておくと、この部分の見積もりが安定します。何を決めておくと話が早いかは、SNS運用代行を頼む前に準備するもの|依頼側で先に決めておく5つにまとめています。

長尺とショートを一緒に頼むときは、素材が共通かを見る

YouTubeでショート動画を作る場合、長尺の運用とセットで提示されることがよくあります。当社でも、長尺の編集にショート動画を組み合わせた形をお受けしています。

これは値引きというより、長尺の撮影素材からショートを切り出せるからという理由が大きいです。撮影が別々に必要なら、こういう形にはなりません。見積もりで「ショート付き」と書かれていたら、素材が共通なのかどうかを確認すると、内容の実態が見えます。

投稿の代行まで入っているかは、別で聞く

制作と、投稿の代行は別の作業です。納品されたデータをこちらでアップロードするのか、相手のアカウント操作まで含むのかで、月々の手間がまったく変わります。ここは数字に大きく響かないこともありますが、運用の負担としては大きい違いです。

金額の外側に置かれやすい3つの項目

提示された数字の外に置かれやすい項目があります。契約したあとで気づくと、毎月の実質が変わってしまいます。

修正は何回まで含まれるか

ショート動画は1本が短いぶん、修正の依頼が出やすいものです。テロップの言い回し、カットの位置、BGMの雰囲気。1回まで含む、2回目から別扱いという条件になっていることは珍しくありません。

社内で確認する人が複数いる場合、1回の修正には収まりにくくなります。確認する人を1人に決めておくかどうかで、ここの負担が変わります。確認の体制と、含まれる修正の回数は、セットで見ておくと安全です。

交通費と、撮影の延長

撮影に来てもらう形の場合、交通費が実費で別になるのが一般的です。当社もそうしています。距離が遠いほど、この部分が毎月乗ることになります。

また、撮影時間は「月に何時間」で決まっているのが普通です。当日その場で「もう1本撮りたい」となったときに、時間内で収まるのか、延長の扱いになるのかは、事前に聞いておくと当日に困りません。

有料素材の実費

BGM、効果音、フォント、ストック映像。これらには有料のものがあります。制作の中に含まれているのか、使うたびに実費で乗るのかは、見積もりの表からは読み取れないことが多い部分です。装飾を多めにする方針なら、ここは無視できません。

見積もりが低く出たとき、何が省かれているのかを読む

他社より明らかに低い数字が出てきたときに、その理由がどこにあるかを見分ける観点です。低いこと自体は問題ではありません。何を省いているのかが分かっていれば、それで足りる場合もあります。

編集の工程だけを切り出している場合

いちばん多いのがこれです。撮影も企画も入っておらず、渡した素材を切って文字を載せる工程だけを請け負っている形。低く出るのは当然で、不誠実ということではありません。省かれた工程を誰がやるのかだけ、こちら側で決めておけば成立します。

決まった型に流し込む作り方になっている場合

あらかじめ用意された型に素材を当てはめる作り方なら、1本にかかる時間は短くできます。最初のうちは効率がいい方法でもあります。ただ、同じ型を何ヶ月も続けると、見ている側には同じ動画に見えてきます。

私が引き継いだ案件で作り直したときも、変えたのは編集の細かさではなく企画のほうでした。提示が低いことと、型が固いことは連動しやすいという点は、頭に置いておくといいと思います。伸び方の見方についてはリールの再生数が伸びない|外注先を比べる前に、上から順に切り分けるに書いています。

納品が完成データだけになっている場合

完成した動画ファイルだけをもらうのか、編集前の元素材や、編集データももらえるのか。低い見積もりでは完成品のみのことが多いです。途中で会社を変えるときに、素材が手元にないと一から撮り直しになります。目に見えにくいですが、あとで効いてくる差です。

条件を揃えてから、同じ質問を各社に投げる

複数社に見積もりを依頼するときに、そのまま送れる形で並べます。全部聞く必要はありません。差が出やすい順に並べてあるので、上から必要なぶんだけ使ってください。

まず、数え方の前提を揃える質問

  1. ご提示いただいた形は、1本ごとの数え方ですか、月ごとのまとまりですか。
  2. その中に、撮影の立ち会いは含まれていますか。含まれる場合、月に何時間までですか。
  3. 撮影時間を超えた場合、延長はできますか。その場合はどういう扱いになりますか。
  4. 1本あたりの完成尺は、何秒から何秒を想定していますか。
  5. お渡しする素材の量に上限はありますか。長い場合は扱いが変わりますか。

次に、作業の中身を確かめる質問

  1. テロップは全ての発話に付きますか、要点のみですか。
  2. 効果音・BGM・動きのある装飾は、含まれていますか。
  3. BGMやフォントなど、有料素材は実費で別になりますか。
  4. 縦型のほかに、横型や正方形への書き出しは対応いただけますか。扱いは変わりますか。
  5. 企画と台本は、そちらで作っていただけますか。こちらが用意する形ですか。

納品と、そのあとについての質問

  1. 修正は何回まで含まれますか。回数を超えた場合、どう計算されますか。
  2. 修正の依頼は、どのくらいの期間内に出す必要がありますか。
  3. 投稿の作業は含まれますか。それとも完成データの納品までですか。
  4. 納品されるのは完成した動画ファイルだけですか。撮影した元素材や編集データもいただけますか。
  5. 契約が終了したあと、過去に納品された動画を自社で使い続けることはできますか。

時間がないときは、この5つに絞る

まとめて聞く余裕がないときは、撮影が含まれるか/企画は誰が作るか/修正は何回まで含まれるか/有料素材は実費か/元素材はもらえるかの5つに絞ってください。同じ質問を各社に投げて、返ってきた答えを横に並べると、数字だけを見ていたときには分からなかった差が出てきます。

数字を先に見てしまうと、この5つを聞く前に候補を絞り込んでしまいがちです。順番は、条件を揃えてから数字を見る、で固定しておくのが安全です。

今日できること:本数と期間を先に決めておく

実際に依頼する前に、こちら側で決めておくと話が早く進むことが2つあります。どちらも他社に聞く必要がなく、今日その場で決められます。

月に何本必要かは、確認できる回数から逆算する

ショート動画の費用は本数と撮影時間で動くので、本数が決まっていないと見積もりの比較ができません。決め方としては、社内で確認できる回数から逆算するのがいちばん現実的です。月8本作っても、確認と公開判断が月に4本ぶんしか回らないなら、4本で組んだほうが無駄がありません。

作れる本数ではなく、出せる本数で決める。ここを取り違えると、納品されたまま出ていない動画が溜まっていきます。

どのくらい続けるかを、先に決めておく

ショート動画は、出してすぐに反応が返ってくるとは限りません。私が引き継いだ案件も、伸びるまでは手応えが一切ありませんでした。効いているのかどうか分からない期間がしばらく続いて、そのあとで急に来ました。

この期間があることを前提に置かずに、月ごとの負担の軽さだけで組むと、反応が無い時期に続けられない配分になりがちです。半年続けたときの総額を先に出しておくと、月ごとの見え方が変わります。

そのうえで、条件を伝えて見積もりを出してもらう

本数と撮影時間、そして媒体が決まっていれば、あとは条件を伝えるだけで具体的な数字が返ってきます。当社の場合も、一律の表を置く形はやめて、料金・お見積りのページから条件を伺ってお見積りする形にしています。ここまでの整理ができていれば、他社と横に並べられる状態で受け取れます。

まとめ

ショート動画の制作費用を比べるときの要点を、もう一度並べます。

  • 1本ごとの形と月ごとにまとめる形は、数え方が違います。数字だけを横に並べても比較にはなりません。
  • 1本あたりを動かしているのは、完成尺と素材の量、テロップの入れ方、効果音や装飾の有無、書き出す比率の4つです。
  • 月ごとにまとめる形を動かしているのは、本数と撮影時間です。本数を増やしても比例して上がらないのは、撮影がまとまるからです。予算を下げたいときは、本数より撮影の回数を見ます。
  • 数字の外側に置かれやすいのは、含まれる修正の回数、交通費と撮影の延長、有料素材の実費の3つです。
  • 低く出ている見積もりは、編集の工程だけを切り出しているか、決まった型に流し込む作り方か、納品が完成品のみかのどれかであることが多いです。省かれた工程を誰がやるかを決めておけば、それで足りる場合もあります。

費用の話は、数字そのものより「その条件で何が起きるか」が分かっているかどうかで、判断のしやすさが変わります。上の質問リストを各社に同じように投げて、返ってきた答えを並べてみてください。それだけで、選ぶ材料はかなり揃うはずです。

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