SNS運用代行の見積もりを取ると、月額の下に「初期費用」という行が入っていることがあります。当社の場合、Instagramの運用プランは初期費用18万円です。YouTubeは36万円から。月額とは別に、契約の最初に一度だけ発生します。
この記事は、その初期費用が何の費用なのかを書いたものです。結論から言うと、初期費用は「投稿が始まる前に終わらせておく仕事」の代金です。誰に向けて何を出すのかを決め、アカウントを投稿できる状態に整え、撮影が回る段取りを作る。この部分は毎月発生しないので、月額に混ぜず初月に分けています。
そして、初期費用が無い会社もあります。それが安いという話でもありません。初期費用の有無は、設計工程を誰がいつやるかの違いとして現れます。ここを見ないまま金額だけ比べると、比較になりません。
初期費用と月額は、性質の違う費用です
月額は「毎月繰り返す作業」の費用
月額のほうは分かりやすいと思います。撮影に行く、動画を作る、投稿する、数字を見る。これを毎月繰り返します。本数が増えれば金額が上がる。何にいくら払っているかが、作業量と対応しています。
当社のInstagramプランで言えば、月21万円のライト4はリール月4本、月30万円のスターター8は月8本、という並びです。金額の差がそのまま本数の差になっています。この価格帯ごとの違いはインスタ運用代行の料金|月10万〜44万の実額プランと、金額を決める4つの条件に書いているので、そちらを見てください。
初期費用は「一度しか発生しない作業」の費用
対して初期費用は、繰り返しません。アカウントの方向を決める作業は、契約の最初に一回やれば、その後は毎月やり直すものではないからです。
だから初期費用の中身は、月額の中身とは種類が違います。「1本いくら」で数えられません。ここが、見積もりを読むときに引っかかりやすいところだと思います。月額は本数で説明できるのに、初期費用だけは何を数えているのか分からない。そう感じるのは自然です。
当社は「初月は初期費用のみ」にしています
当社のプランには、初月は初期費用のみで、2ヶ月目から通常運用開始、という条件が付いています。これは初月に月額と初期費用を二重に請求しない、という意味です。
この条件は会社によって違います。初月から月額も同時に発生する形もありますし、初期費用を分割にする形もあります。見積もりを比べるときは、初月の請求額がいくらになるかを必ず確認してください。初期費用の額だけを見ると、初月の負担を読み違えます。
初期費用の中で、実際に何をしているのか
ここは会社ごとに範囲が違うところです。当社が何をしているかを書きます。他社と比べるときの物差しとして使ってください。
誰に向けて何を出すのかを決める
最初にやるのは、方向を決める作業です。どんな人に見てほしいのか。その人が何を知りたいのか。うちのアカウントは何の場所として認識されるのか。ここを決めないと、投稿1本ずつの企画が毎回ゼロから始まってしまいます。
私が引き継いだ案件で、コンセプトから作り直したことがあります。それが後になって伸びました。正直、自分でも驚きました。ただ、やっている最中は効いているのかどうか分かりませんでした。手応えは一切ないまま、しばらく経ってから急に来た、という感じでした。
この工程は成果がすぐ見えません。だから軽く扱われがちなのですが、ここが決まっていないアカウントは、あとで必ず迷います。
アカウントを投稿できる状態に整える
プロフィール文、リンク先、ハイライトの構成、投稿の見た目の基準。この辺りを整えます。すでにアカウントがある場合は、いまの状態を見てどこを直すかを決めます。
ゼロから作る場合と、既存アカウントを引き継ぐ場合では、作業量が変わります。既存アカウントの引き継ぎは、過去の投稿を見て何が残っているかを判断する工程が増えるので、むしろ手間が増えることがあります。ゼロからのほうが高い、と思われがちですが、そうとは限りません。
撮影と投稿の段取りを作る
撮影に行く日をどう決めるか。当日は誰が立ち会うのか。何をどこで撮るのか。撮ったものをいつまでに形にして、誰が確認して、いつ出すのか。この流れを決めます。
これを決めずに始めると、2ヶ月目から毎回「今月はいつ撮りますか」という調整が発生します。運用が始まってからの手間は、ほとんどここで決まります。
企画の型と、最初の分の台本を作る
毎月ゼロから企画を考えていると、量が出せません。だから最初に、繰り返し使える型をいくつか作ります。そのうえで初回分の台本を書きます。
台本は月額のほうにも含まれています(当社のライト4なら企画立案・台本4本分)。初期費用でやっているのは、その台本を書くための「型」を作る部分です。
YouTubeの初期費用が高いのは、作るものが増えるから
当社のYouTubeプランは初期費用36万円からで、Instagramの18万円より高くなっています。理由は、OPとEDの制作が含まれるからです。ライト4だけ42万円と高いのは、OP・EDを3点作るためで、他プランは2点です。
初期費用の額が違うときは、制作物が入っているかどうかを見てください。設計だけの初期費用と、映像素材の制作が入る初期費用では、同じ「初期費用」という名前でも中身が違います。
初期費用ゼロの会社を、どう読むか
設計をやっていないのか、月額に入れているのか
初期費用ゼロという提示を見たとき、確かめたいのはここです。設計工程そのものが無いのか、それとも月額に含めているのか。どちらもあり得ます。
月額に含めている場合、月額はその分だけ高くなっているはずです。長く続けるなら、初期費用を分けている形のほうが総額は下がることもあります。逆に、短い期間で試したいなら、初期費用が無いほうが入りやすい。どちらが得かは、どのくらい続ける前提かで変わります。
初期費用ゼロで、月額も安い場合
この組み合わせのときは、設計工程が省かれている可能性を考えたほうがいいと思います。省いていること自体が悪いのではなく、省いた場合は方向を決める仕事が自社側に残るということです。
誰に向けるかを自社で決めて指示できるなら、それで問題ありません。むしろ、決まっているのに外注先の設計工程にお金を払うのは無駄です。決まっていない状態で頼むと、誰も決めないまま投稿だけが積み上がります。
「初期費用無料キャンペーン」の条件を見る
期間限定で初期費用を無料にする提示があります。このとき見ておきたいのは、無料になる条件のほうです。最低契約期間が付いていることがあります。
付いている場合、その期間の月額の合計が、実質的な負担です。初期費用が浮いた分より、縛られた期間の月額のほうが大きいこともあります。無料の額ではなく、契約期間まで含めた総額で見てください。
初期費用でよく食い違う3つの言葉
「アカウント開設費」に何が入っているか
アカウントを作るだけなら数分の作業です。それを初期費用として提示している場合、開設の作業そのものではなく、プロフィールの設計まで含んでいるはずです。どちらを指しているのかは、聞かないと分かりません。
「初期設定」がどこまでか
初期設定という言葉は幅が広いです。ビジネスアカウントへの切り替えだけを指す場合もあれば、投稿の見た目の基準を作るところまで指す場合もあります。言葉ではなく、成果物として何が納品されるかで確認するのが確実です。
「戦略設計」が資料として残るのか
設計をしたと言われても、それが口頭の説明だけで終わると、あとで確認できません。資料になって手元に残るのかどうかは、聞いておく価値があります。
残る形になっていれば、契約が終わったあとも自社の資産として使えます。残らない形なら、その会社の中にしか無いということです。
初期費用の見積もりを取るときに聞く質問
ここまでの話を、そのまま聞ける形にしました。月額の内訳ではなく、初期費用に絞った質問です。
- 初月の請求額は、初期費用だけですか。月額も同時に発生しますか。初期費用の額だけでは初月の負担が分かりません。
- 初期費用は分割できますか。できる場合、分割手数料が乗るかどうかも一緒に。
- 初期費用で作るものを、納品物として一覧にしてもらえますか。作業名ではなく、手元に残るものを聞きます。
- その納品物のデータは、契約が終わったあとも自社で使えますか。設計資料や台本の型が返ってくるかどうかです。
- すでにアカウントがある場合、初期費用は変わりますか。ゼロから作る場合と引き継ぐ場合で、作業量が違うためです。
- 初期費用の作業は、契約から何日くらいで終わりますか。初回投稿がいつになるかが、ここで決まります。
- 初期費用の期間中に、こちらが用意するものはありますか。写真素材、店舗情報、既存のロゴデータなど。
- 初期費用を払ったあと、1ヶ月目で解約した場合はどうなりますか。返金の有無ではなく、納品物が渡されるかどうかを聞きます。
- 初期費用無料の場合、代わりに付く条件は何ですか。最低契約期間、または月額への上乗せがあるかどうか。
- 設計の方針を、途中で変えたくなったらどうなりますか。再設計に費用がかかるのか、月額の範囲でやってもらえるのか。
この中で今日すぐ効くのは、8番だと思います。初期費用を払った直後にやめた場合、作ったものが手元に来るのか。ここを最初に聞いておくと、その会社が初期費用を何の対価として受け取っているかが分かります。納品物の対価だと考えている会社は、迷わず答えられるはずです。
初期費用を判断するときの順番
1. 設計が自社で決まっているかを先に確認する
誰に向けて何を出すかが社内で決まっているなら、外注先の設計工程は薄くて構いません。決まっていないなら、そこにお金を払う意味があります。自社の状態を先に見てから、初期費用の額を見てください。額から入ると判断できません。
2. 続ける期間の見立てを置く
初期費用は一度きりなので、続ける期間が長いほど1ヶ月あたりの負担は下がります。3ヶ月で終える前提なら重く、1年続ける前提なら軽い。同じ18万円でも、意味が変わります。
ちなみに、反応が出ない期間は実際にあります。私が引き継いだ案件も、手応えが無い時期がしばらく続いたあとで動きました。だから期間の見立ては、短めに置かないほうがいいと思っています。
3. 総額で並べる
初期費用と月額を分けて比べると、どちらが安いか分かりません。想定する契約期間の総額に直して、横に並べてください。たとえば当社のInstagramなら初期費用18万円+月額21万円です。初期費用ゼロの見積もりと並べるときは、月額の差が6ヶ月ぶんで18万円を超えるかどうかを見てください。超えるなら、初期費用を払ったほうが総額では安く終わります。これで初めて比較になります。
まとめ
初期費用は、投稿が始まる前に終わらせておく仕事の代金です。誰に向けるかを決め、アカウントを整え、撮影と投稿の段取りを作る。繰り返さない作業なので、月額から分けています。
当社はInstagramで18万円、YouTubeで36万円から。初月は初期費用のみで、2ヶ月目から通常運用に入ります。ほかの媒体やプランの金額は料金ページにまとめています。
初期費用ゼロの会社と比べるときは、設計工程を誰がやるのかを見てください。省いているなら、その仕事は自社に残ります。月額に入れているなら、続ける期間によって総額の有利不利が入れ替わります。額そのものではなく、何をどこに置いているかの違いとして読むと、比較できるようになります。
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