インスタ運用代行が怪しいかを見分ける|提案書の中で確かめられる7か所

インスタ運用代行が怪しいかを見分ける|提案書の中で確かめられる7か所

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インスタ運用代行を探していて「なんとなく怪しい気がする」と感じたとき、その感覚をどう確かめればいいのか。この記事が答えるのはその1つです。

先に結論を書きます。怪しいかどうかは、担当者の人柄や商談中の雰囲気では判断できません。判断できるのは、提案書と契約書に書かれている「範囲」と「誰の責任か」の2つだけです。そしてこの2つは、商談の場で聞かなくても、渡された書面を持ち帰って読めば確かめられます。

私自身、SNS運用代行を仕事にしています。企画と台本を作り、撮影して、編集の指示を出し、投稿して、月次で分析する。その一連をやっている側です。だからこそ言えるのですが、書面の書き方には、その会社が何を引き受けるつもりでいるかが、かなり正直に出ます。隠そうとしても、範囲を書かないという形で出てしまうからです。

「怪しい」と感じる正体は、たいてい範囲が書かれていないこと

悪意があるかどうかは、外からは判断できません

最初にお断りしておきます。この記事は「悪徳業者の手口」を暴くものではありません。相手に悪意があるかどうかは、こちらからは分かりようがないからです。分からないことを書くと、それは推測になります。

代わりに書けるのは、後から揉めやすい書き方と、揉めにくい書き方の違いです。悪意がなくても、範囲を曖昧に書いた見積もりは、着手後に「それは入っていません」が発生します。悪意の有無ではなく、書面の精度の問題として見たほうが、判断としては正確です。

不安の中身を、3つに分けてみてください

「怪しい」と感じているとき、その中身はだいたい次のどれかです。

  • お金を払ったのに何もしてもらえないのではないか、という不安
  • やってはくれるが、思っていたのと違うものが出てくるのではないか、という不安
  • やめたいときに、やめられないのではないか、という不安

この3つは、確かめる場所がそれぞれ違います。1つ目は作業内容の記載、2つ目は成果物の定義、3つ目は契約条項です。まとめて「信用できるか」で考えると答えが出ませんが、分けると書面のどこを見ればいいかが決まります。

商談の場で判断しようとしないでください

正直に書きますが、商談での話しやすさは、運用の質とほとんど関係がありません。私は初対面の相手とオンラインで話すのが本当に苦手で、人見知りと自信のなさが前面に出ます。自分でも分かっています。見積もりを出すときも、自信がないから自分から下げていた時期がありました。

逆に言えば、話が上手い相手が良い運用をするとも限りません。話す技術と、撮って編集して分析する技術は別のものです。判断は、その場ではなく持ち帰った書面でしてください。

確かめる場所1:作業の単位が、数で書かれているか

「投稿代行」だけでは、何もしないのと区別が付きません

提案書に「Instagram運用代行一式」「投稿代行」とだけ書かれている場合、月に何本作るのかが決まっていません。これは意地悪な指摘ではなく、実際に食い違いが起きる場所です。依頼側は週3本くらいを想像し、代行側は月2本のつもりでいる、ということが起こります。

数で書かれていれば、多い少ないの判断は自分でできます。書かれていないと、その判断ができません。提示された金額の高さより先に、数が入っているかを見てください。数が無い見積もりは、そもそも安いのか高いのかを言えない状態です。

数えられる単位は、だいたいこの4つです

  • リールを月に何本作るか
  • 撮影に月に何時間入るか
  • 企画と台本を何本分作るか
  • レポートを月に何回出すか

当社の場合も、プラン名の横にこの4つを数字で並べています。リールを月に何本、撮影に月に何時間、台本を何本分、レポートを月に何回。比べていただきたいのは金額ではなく、こういう単位が書いてあるかどうかです。単位が揃っていれば、複数社の見積もりを横に並べたときに、どこが違うのかが自分で読めます。当社の場合の条件と範囲は料金・お見積りページにまとめてあり、条件を伺ったうえでお見積りをお出ししています。

「本数は柔軟に対応します」と書かれていたら

柔軟であること自体は悪くありません。ただし柔軟という言葉は、上限がないという意味にも、下限がないという意味にも読めます。どちらのつもりで書いているかを一度だけ聞いて、その回答を書面に足してもらってください。足すのを嫌がられた場合、そこが後で揉める場所です。

確かめる場所2:撮影が誰の仕事になっているか

素材が出てくる場所が、書かれていないことがあります

リールを月に何本、と書いてある提案書でも、その素材をどこから持ってくるかが書かれていないことがあります。代行側が撮りに行くのか、こちらが撮って渡すのか。ここが空白のまま契約すると、着手後に「素材をお送りください」という連絡が来ます。

撮影が入るなら、時間が書かれているはずです。時間が書かれていないのに撮影が含まれている、という提案書は、範囲の詰めが甘いと考えていいと思います。

設営と撤収が、撮影時間の中か外か

撮影2時間と書かれているとき、機材を出して片付ける時間が中に入っているかどうかで、実際に撮れる量が変わります。当社は機材・設営撤収込みで時間を記載していますが、これは会社ごとに違います。同じ「2時間」でも中身が違うので、揃えないと横に並べられません。

撮影に来ない形が悪いわけではありません

誤解のないように書いておきます。素材を預かって編集だけする形も、成立する商品です。人が現地へ動かないぶん、負担は軽くなります。問題なのは、どちらなのかが書かれていないことだけです。この2つを同じ土俵で比べてしまうのが、いちばん多い混乱です。この違いはショート動画の制作費用|何で金額が変わるのかを、1本単位と月額に分けて読むで分解しています。

確かめる場所3:数字の見せ方に、無理がないか

結果を約束している提案書は、書き方として無理があります

フォロワーが何人増えるか、何ヶ月で何件の来店があるか。こうした数字を先に約束する提案は、約束できないことを約束しているという意味で、書き方に無理があります。実際の運用では、伸びる時期が来るかどうかを事前に決めることはできません。

私は引き継いだクライアントの案件を、コンセプトから作り直したことがあります。それが最近になって伸びました。素直にうれしかったですし、先方も驚いていました。正直、自分でも驚きました。手応えは、伸びるまで一切ありませんでした。やっている最中は、効いているのかどうか分からないままでした。

それが実際の感覚です。だから今も、反応が無い期間をすぐ失敗とは思わないようにしています。逆に言えば、先に結果を数字で置ける立場の人はいないということでもあります。

他社事例の数字は、条件が付いているかを見てください

実績として数字が載っていること自体は、むしろ良い材料です。見るのは数字の大きさではなく、その横に条件が書かれているかのほうです。業種、期間、投稿本数、撮影の有無。これらが無い数字は、比べようがありません。

数字が動かない月に何を報告するか、を聞いておく

これは今日から使える判断材料です。「数字が動かなかった月のレポートは、どういう内容になりますか」と一度だけ聞いてください。動いた月の話は誰でもできます。動かない月に何を見て、次に何を変えるのかを説明できるかどうかで、分析を実際にやっているかが分かります。

確かめる場所4:誰が作業するのかが、書面に残っているか

提案した人と、作る人が同じとは限りません

これは業界の構造の話であって、悪いことではありません。ただ、提案した人がそのまま担当するのか、別の人に渡るのかは、契約前に書面で確かめておいたほうがいいと思います。渡ること自体が問題なのではなく、渡ることを知らないまま契約すると期待がずれるからです。

再委託の記載があるかどうか

契約書に再委託についての条項があるかを見てください。禁止されているか、事前承諾が要るか、自由にできるか。どれでもかまいませんが、書いていない場合は、実質的に自由にできる状態だと考えたほうが実態に近いです。

担当者の交代について、何と書かれているか

個人に頼む場合と会社に頼む場合で、ここは前提が変わります。その違いはSNS運用代行は個人と会社どっちがいい?発注側が比べるべき7つの違いで7つに分けて書きました。ここでは繰り返しません。

確かめる場所5:アカウントと素材が、終わったあと誰に残るか

権限の預け方が書かれていない提案書は、あとで困ります

Instagramのアカウントを新しく作るのか、既存のものを預かるのか。パスワードごと渡す形なのか、権限の付与で足りる形なのか。ここが書かれていないと、解約のときに手続きが止まります。

編集前のデータをもらえるかどうか

撮影した素材のうち、納品されるのは完成した動画だけ、ということがあります。編集前のデータが必要かどうかは業種によりますが、必要なら契約前に書いてもらう項目です。あとから頼むと、保管していないと言われる可能性があります。

解約後の扱いは、条項として存在しますか

投稿済みのコンテンツをどうするか、アカウントの権限をいつ返すか。この2つが条項として存在するかを見てください。存在しないこと自体が、確かめるべき点です。契約期間そのものの考え方はSNS運用代行の契約期間|月数ではなく、期間中に何が積み上がるかで比べるに分けて書いています。

確かめる場所6:見積もりの出し方が、途中で変わっていないか

商談中に値引きが出てきたとき

これは私自身がやってしまっていたことなので、書いておきます。独立してすぐの頃、見積もりを出すときに自信がなくて、自分から下げていました。下げた理由は、相手の条件が変わったからではなく、自分が不安だったからです。

だから、商談中に理由の説明なく見積もりが下がったときは、条件も一緒に変わっていないかを確かめてください。下がること自体が怪しいのではありません。下がった理由が説明されないことが、確かめるべき点です。本数が減っているのか、撮影が無くなっているのか、単に不安で下げているのか。この3つは全部違います。

「今月中なら」という条件が付いたとき

期限を付けた割引そのものは普通にあります。見るのは、期限のあとに何が起きるのかが書かれているかです。翌月から通常の条件に戻るのか、この条件が継続するのか。継続するなら、なぜ今月中である必要があるのかが説明できるはずです。

初期費用の有無だけで判断しないでください

初期費用が発生しないから良心的、というわけでもありません。設計にあたる作業を月額に含めている場合もあります。中身の読み方はSNS運用代行の初期費用|何に対して発生し、どんな条件で変わるのかに書きましたので、ここでは省きます。

確かめる場所7:連絡と確認の段取りが決まっているか

投稿前の確認が、あるのか無いのか

投稿を確認してから出すのか、確認なしで出すのか。どちらの運用もありますが、これが決まっていないまま始まると、最初の1本目で必ず止まります。

返信の速さではなく、返信できる時間帯

速さは相性の問題ですが、時間帯は構造の問題です。こちらが連絡したい時間に相手が動いていないと、確認のたびに1日ずれます。月に何本も出す運用では、このずれが積み上がります。

報告の形式が決まっているか

月次レポートと書かれていても、その中身は会社ごとに違います。見本を1枚見せてもらうのがいちばん早いです。見本が出てこない場合、まだ形が決まっていない可能性があります。

見積もりの幅を作っているのは、この7つの条件です

ここまでの7か所は「書いてあるか」の話でした。ここからは、その書かれた条件のうち、どれが金額を動かしているのかを書きます。安く見える見積もりと高く見える見積もりの差は、たいていこの7つのどこかが違っているだけです。差の理由が特定できれば、その見積もりは怪しくありません。特定できないときだけ、聞く必要があります。

人の時間が乗っている条件(上がりやすい側)

  • 制作本数:月に作るリールの本数。増えるほど上がり、減らせば下がります。ここがいちばん素直に効きます。
  • 撮影の回数と時間:現地に人が行く回数と、1回あたりの拘束時間。撮影が無くなると大きく下がりますが、そのぶん素材は依頼側で用意することになります。
  • 出張と拠点数:店舗が離れて複数ある場合、移動そのものが時間として乗ります。同じ本数でも、1拠点と3拠点では前提が変わります。

作るものの種類が増える条件

  • 媒体:Instagramだけか、YouTubeやGoogleビジネスプロフィール(MEO)も含むか。媒体が増えると、素材の作り直しと管理画面がそのぶん増えます。
  • 企画と台本を含むか:撮る内容をこちらで設計するのか、決まったものを撮って編集するだけなのか。設計から入ると上がり、型が決まっていれば下がります。
  • 分析とレポートを含むか:数字を出すだけか、次にどう変えるかまで書くか。ここは見積書では同じ「月次レポート」の一語になりがちなので、差が隠れやすい場所です。

いちばん見落とされるのが「どこまで丸投げするか」です

投稿の作業だけを頼むのか、確認・修正・投稿・コメント対応まで含めて任せるのか。ここは作業の量ではなく、判断の量が変わる条件です。判断まで預けるほど上がります。逆に、確認と投稿を自社でやると決めれば下げられますが、そのぶん社内に手間が残ります。下げた金額と、社内に残った手間を並べて見ないと、本当に安くなったのかは分かりません。

この7つのうち、どれが自社にとって外せないのかを先に決めてしまうのが早いです。決め方はSNS運用代行を頼む前に準備するもの|依頼側で先に決めておく5つにまとめました。

同じ条件で並べるための、見積もりの取り方

取り方1:先にこちらから条件を出して、同じ紙で出してもらう

相手ごとに違う前提で出てきた見積もりは、比べられません。先ほどの7つの条件を、こちらから文章にして各社へ同じものを渡してください。「リールは月◯本、撮影は月◯時間、拠点は◯か所、投稿までお願いします」という数行で足ります。これを渡すと、返ってくる見積もりが同じ形になります。

渡した条件と違う形で返ってきた場合も、それ自体は悪くありません。なぜ変えたのかが書かれているかを見てください。理由が書かれていれば、その会社は条件を読んでいます。

取り方2:内訳を、作業の単位ごとに分けてもらう

「一式」で1行になっている見積もりは、あとから中身を動かせません。制作・撮影・企画・投稿・レポートを、それぞれ別の行にしてもらってください。分けてもらう目的は値切ることではなく、減らせる場所と、減らすと運用が成り立たなくなる場所を、自分で判断できるようにするためです。

実際にやると、「撮影を減らすより本数を減らすほうが痛くない」といった判断が自分でできるようになります。行が分かれていないと、この判断が全部相手側に残ります。

取り方3:含まれないものを、先に聞く

含まれるものは提案書に書いてあります。書いていないのは、含まれないもののほうです。「この見積もりに含まれていない作業を、3つ挙げるとしたら何になりますか」と聞いてみてください。答えられる相手は、範囲を自分で把握しています。

よく出てくるのは、素材の追加撮影、投稿後のコメント対応、広告の運用、写真の権利まわりの手続きです。これらは後から発生しやすく、そのときに追加になるのかどうかで、実際に払う金額は変わります。

取り方4:条件を変えたときに、どちらへ動くかを聞く

額そのものではなく、向きを聞くのが有効です。「本数を半分にすると下がりますか」「撮影を無くして素材を渡す形にすると、どのくらい形が変わりますか」。この質問に即答できる相手は、自分の見積もりの組み立てを分かっています。組み立てが分かっている相手なら、契約後に条件を変えたいと思ったときも話が早いです。

網羅的な条件と範囲を一度に見たい場合は、料金・お見積りページをご覧ください。当社の場合も、条件を伺ったうえでお見積りをお出ししています。

持ち帰れるパーツ:候補を横に並べる比較表

先に「見る欄」を決めてから、候補を入れてください

提案書を1社ずつ読むと、読んだ順番で印象が決まってしまいます。先に欄を作って、そこに書いてあることだけを転記するほうが、公平に比べられます。空欄になった項目が、その会社に確かめる点です。

用意する欄は、この12個です

  1. リールの本数(月に何本と書いてあるか。「柔軟」なら空欄)
  2. 撮影の有無と時間(時間の記載が無ければ空欄)
  3. 撮影時間に設営と撤収が入るか(入る/入らない/記載なし)
  4. 対象の拠点数(1か所/複数/記載なし)
  5. 投稿までやるか、納品までか
  6. 企画と台本が含まれるか(含む/素材のみ/記載なし)
  7. 素材を誰が用意するか(代行側/依頼側/記載なし)
  8. 作業する人が提案者と同じか(同じ/別/記載なし)
  9. 再委託の条項があるか(禁止/要承諾/記載なし)
  10. アカウント権限の預かり方(パスワード/権限付与/記載なし)
  11. 編集前データの受け取り(可/不可/記載なし)
  12. 解約後の投稿とアカウントの扱い(条項あり/なし)

この12個を埋めたうえで、最後に「数字が動かない月のレポートに何を書くか」を1行だけ足してください。ここだけは書面に出てこないので、聞いた答えをそのまま書き写す欄になります。

「記載なし」が多い会社が、悪い会社とは限りません

ここが大事なところです。記載が無いのは、まだ書いていないだけかもしれません。この表の使い方は、点数を付けて落とすことではなく、空欄を埋めてもらうことです。空欄を埋めてくださいと伝えたときの反応で、判断できることのほうが多いと思います。

この見方が空振りしてしまう場合

まだ外注するかどうかを決めていない段階の方には、この比べ方は向きません。比較の前に、自社でやるか外に出すかの判断が先になります。また、素材だけ渡して編集のみを頼みたい方は、ここに挙げた欄のうち撮影まわりの3つが最初から不要になります。自分がどの形を頼もうとしているかで、見る欄は変わります。

まとめ:怪しいかどうかは、書面の空欄の数で見ます

最初の質問に答えます。インスタ運用代行が怪しいかどうかは、提案書と契約書に「範囲」と「誰の責任か」がどれだけ書かれているかで判断できます。人柄でも、話し方でも、提示された金額の安さでもありません。

具体的には、本数と時間が数で書かれているか。素材を誰が用意するか。作業するのが誰か。アカウントと素材が終わったあと誰に残るか。数字が動かない月に何を報告するか。この5つが書面にあれば、その会社が何を引き受けるつもりでいるかが読み取れます。

そして、見積もりの差が気になったときは、制作本数・撮影の回数と時間・拠点数・媒体・企画と台本・分析レポート・どこまで丸投げするか、の7つのどこが違うのかを探してください。差の理由が特定できる見積もりは、高くても安くても怪しくありません。特定できないときだけ、内訳を分けてもらい、含まれないものを聞く。それで足ります。

逆に、書かれていない項目については、こちらから聞くしかありません。聞いたときに書き足してもらえるかどうかが、いちばん実務的な判断材料になります。結果を約束してくれる会社ではなく、範囲を書いてくれる会社を探してください。運用は始まってからのほうが長いので、そちらのほうが後で効きます。

この記事と近い話は SNS運用代行の選び方|代行する側から見た、会社ごとに実務の中身が違う5つの場所/SNS運用代行を頼む前に準備するもの|依頼側で先に決めておく5つ/インスタ運用代行の料金|見積もりの差がどこから来るのかを分解する にも書いています。

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