SNS運用を外注しようと調べはじめると、まず引っかかるのが料金です。月5万円で請け負う会社もあれば、月88万円のプランもある。桁が違うのに、どちらも「SNS運用代行」と名乗っています。
この記事では、その桁の差がどこから来るのかを、媒体をまたいだ全体像として説明します。Instagramだけ、MEOだけを検討している段階ではなく、そもそもどの媒体にいくらかけるのかを決める前の段階で読む記事です。当社の実額も途中で挙げますが、プランの内訳は各媒体の記事と料金プランのページに任せます。
費用の桁を決めているのは「人の時間がどこに乗るか」
SNS運用代行の作業は、乱暴に分けると3つしかありません。撮る・作る・見るです。撮影に人が現地へ出るか、動画や文章を何本作るか、数字を見て次を決める工程が入るか。このうち料金を大きく動かすのは、撮影と制作です。どちらも人が時間を使うので、時間の量がそのまま金額になります。
逆に言えば、撮影が入らない媒体は安く、撮影と長い編集が入る媒体は高いという順番になります。当社の実額を並べると、この順番がそのまま出ます。
- 撮影も制作もほぼ入らない … MEOライト 月5万円
- 文章の制作と投稿が入る … テキストSNS ライト 月10万円
- 撮影と短い動画の制作が入る … Instagram ライト4 月21万円(撮影月2時間・リール月4本)
- 撮影と長尺動画の制作が入る … YouTube ライト4 月38万円(撮影月8時間・15分尺の編集月4本)
InstagramのライトとYouTubeのライトは、どちらも「月4本」です。それでも21万円と38万円に分かれます。本数が同じでも、1分未満のリールと15分尺の動画では、1本にかかる編集時間が別物だからです。撮影時間も月2時間と月8時間で違います。
「相場」を探しているときに数字がばらけて見えるのは、この人の時間の量が媒体ごとに違うのに、名前が全部「SNS運用代行」で揃ってしまうからです。金額を比べる前に、どの媒体の話をしているのかを分けてください。
媒体ごとの出発点と、主なコスト
4つの媒体について、いくらから始まるのかと、その金額の大半が何に使われているのかだけを挙げます。プランごとの内訳は、それぞれのリンク先にあります。
MEO(Googleビジネスプロフィール)は月5万円から
店舗の基本情報、写真、口コミへの返信、Google投稿を扱う領域です。撮影に人が出ることも動画編集もないため、4媒体でいちばん低い帯から始まります。当社はMEOライトが月5万円、MEOプロが月10万円、複数店舗に対応するMEOマルチが月20万円からです。
主なコストは情報の整備と口コミ対応にかかる手間で、店舗数が増えるとその分だけ増えます。金額ごとに作業がどう変わるかは「MEO対策の費用相場|月5万・10万・20万で何が変わるのかを分解する」で分解しています。
テキストSNS(X・Threads)は月10万円から
文章の作成と投稿代行が中心です。撮影も動画編集も入らないので、Instagram以上の帯には上がりません。当社はライトが月10万円(1媒体・週3本)、スタンダードが月15万円(2媒体・週5本・コメントとリプライ対応)、複数アカウントを毎日動かすプレミアムが月25万円からです。
主なコストは投稿の本数と、コメントやDMに人が反応する範囲です。文章そのものより、反応に人が張り付く部分で金額が動きます。
Instagram(リール運用)は月10万円から、任せるなら月21万円から
自社で運用しながら方針だけ相談するコンサルが月10万円。撮影から制作、投稿まで任せる形はライト4の月21万円から始まり、本数と撮影時間に応じてスターター8が月30万円、プロ12が月39万円、カスタムが月44万円からです。初期費用は18万円です。
主なコストは撮影に人が出る時間と、リールの本数です。どの本数が必要かの考え方や、フィード・ストーリーズの扱いは「インスタ運用代行の料金|月10万〜44万の実額プランと、金額を決める4つの条件」にまとめています。
YouTubeは月10万円から、任せるなら月38万円から
チャンネル設計と企画のアドバイスだけのコンサルが月10万円。15分尺の動画編集とサムネイル制作を任せる形はライト4の月38万円から始まり、月8本のスターター8が月58万円、月12本にショート動画月8本が付くプロ12×8が月88万円、カスタムが月131万円からです。
主なコストは長尺動画1本あたりの編集時間です。ここが4媒体でいちばん重いため、出発点も上限も他の媒体より高くなります。プランの詳細は料金プランのページにあります。
目的から決めると、どの媒体から始めるかが決まる

予算から入ると「一番安いものはどれか」という話になりますが、目的から入ると選ぶ媒体が先に決まります。よくある3つの目的で整理します。
近くの人に来店してほしい
地図から探して来る客層が主なら、MEOが先です。すでに「この辺で探している人」に対して情報が出る場所なので、写真と情報が整っているかどうかが直接効きます。月5万円から始められるため、他の媒体と並行しても負担が小さい帯です。当社ではMEOをSNSプランへの追加オプションとしても扱っています。
店名や社名で指名で探されたい
指名で探されたときに、見た人が「ここでいい」と判断できる材料が必要になります。Instagramのリール運用がここに当たります。動きのある短い動画は、雰囲気や人の様子を短時間で伝えられるためです。撮影から任せる場合は月21万円からになります。
まだ知らない人に届く範囲を広げたい
説明が必要なサービスや、単価が高くて検討期間が長いものは、長尺のYouTubeが向きます。ただし出発点が月38万円で、初期費用も別に必要です。まずは月10万円のコンサルで自社が手を動かしながら方針を固め、続けられると分かってから制作を任せる、という順番も取れます。テキストSNSで反応を見るところから始める手もあります。
3つとも当てはまる場合でも、最初から3媒体を同時に動かす必要はありません。次に書くとおり、絞ったほうが読み取れることが増えます。
予算に上限があるとき、媒体を絞るか、範囲を狭めるか
使える金額に上限があるとき、削り方は2通りあります。
1つは媒体を絞るやり方です。3媒体を薄く分散させず、1媒体に決めて、その媒体では作業範囲を落とさない。もう1つは範囲を狭めるやり方で、複数の媒体を扱いながら、撮影を自社で持ったり、コンサル(月10万円)にして自社で投稿したりする形です。
先に選ぶなら、媒体を絞るほうです。理由は2つあります。
1つめは、範囲を狭めると自社の工数がそのぶん増えるからです。コンサルは金額が下がりますが、撮る人と投稿する人が社内に要ります。ここが用意できないまま契約すると、投稿が止まり、月10万円で何も動いていない状態になります。金額の話ではなく、社内の手が空いているかどうかの話です。
2つめは、薄く分散させると何が効いたのか分からなくなるからです。3媒体をそれぞれ最低限の本数で回すと、どの媒体も判断材料が足りないまま数か月が過ぎます。1媒体に寄せておけば、本数を増やしたときに反応が変わったのかどうかが読み取れます。
実務上は、来店を増やしたい店舗ならMEOライト(月5万円)を先に入れて情報を整え、動画で見せる必要が出てきた段階でInstagramを足す、という順番が組みやすいです。逆に、最初からInstagramのプロ12(月39万円)を選んでおいて、翌月に本数を減らすという調整の仕方は、素材が溜まる前に判断することになるのであまり噛み合いません。
見積もりを横に並べる前に、揃えておく条件
複数社から見積もりを取ったとき、金額だけを並べても比較になりません。前提が違うものを並べているためです。金額の前に、次の6つを同じ条件にしてから聞いてください。
- 対象の媒体と数。1媒体か2媒体か。MEOを含むのか含まないのか
- 制作の本数。動画なら月に何本か。文章なら週に何本か
- 動画の尺。1分未満のリールなのか、15分尺なのか。同じ「4本」でも金額が変わる部分です
- 撮影の有無と時間。人が現地に出るのか、月に何時間か
- 投稿までやるのか。原稿や動画の納品までか、アカウントに投稿するところまでか
- レポートと分析の回数。月1回か、月2回か
ここまで揃えると、残った金額の差は作業量ではなく会社ごとの値付けの差になります。そこで初めて比べる意味が出ます。
あわせて、月額とは別に発生するものが見積もりに書かれているかを見てください。初期費用、撮影に伴う交通費や宿泊費が代表です。当社の場合はInstagramの初期費用が18万円、YouTubeが36万円(ライト4のみ42万円)で、初月は初期費用のみ、2か月目から通常運用が始まります。交通費と宿泊費は実費で別途です。費目ごとの詳しい話は各媒体の記事にあるので、ここでは「月額の外に何があるかを確認する」という点だけにしておきます。
相場を調べる段階で起きやすい3つの誤解

安い=手抜き、ではない
月5万円のMEOライトは、月39万円のInstagramの手抜き版ではありません。やることの範囲が違うだけです。基本情報を確認して口コミ返信のテンプレートを作る作業に、撮影と動画編集の時間は要りません。安い見積もりを見たときに疑うべきなのは金額ではなく、「その金額で何が含まれていないか」が書かれているかどうかです。
高い=安心、でもない
金額が上がるほど本数と撮影時間が増えますが、それが自社の目的と噛み合っているかは別問題です。地図から探して来る客層が主な店舗が、いきなり月88万円の長尺動画プランを入れても、動いている量に対して手応えが薄くなります。高いプランは「たくさん作る」ことに対して高いのであって、目的に合っているかどうかを保証するものではありません。
平均値を探しても答えは出ない
「SNS運用代行の平均はいくらか」を調べても、含まれるものが違うものを平均した数字が出るだけです。見るべきは平均ではなく、自社が出したい本数と、撮影を誰がやるかを決めたときの金額です。条件が決まれば、金額の幅は一気に狭まります。
依頼するまでの現実的な進め方
ここまでを踏まえると、順番は次のようになります。
- 目的を1つに決める。来店を増やしたいのか、指名で探されたときに見せる材料を作りたいのか、知らない人に届く範囲を広げたいのか
- 媒体を1つ選ぶ。目的が決まれば、上に書いた対応でだいたい決まります
- 出したい本数を決める。週に何本出したいかを決めると、必要なプランの帯が絞れます
- 撮影を誰がやるか決める。社内に撮れる人と時間があるならコンサル(月10万円)でも回ります。無ければ撮影を含むプランになります
- 同じ条件で2〜3社に聞く。上の6つを揃えて聞けば、返ってきた金額をそのまま並べられます
- 初月の総額を確認する。初期費用と交通費を含めて、1か月目にいくら出るのかを見ておきます
この6つのうち、社外に聞かないと決まらないものは5番だけです。1番から4番は、問い合わせる前に自社で決められます。ここが決まっていない状態で見積もりを集めると、各社がそれぞれ違う前提で書いてくるので、また比べられなくなります。
まとめ

SNS運用代行の費用は、MEOライトの月5万円からYouTubeのプロ12×8の月88万円まで幅があります。この幅を作っているのは会社の質ではなく、撮影に人が出る時間と、制作する動画や文章の量です。人の時間が乗る量が媒体ごとに違うので、桁も媒体ごとに違います。
だから、相場を調べる段階でやるべきことは、平均額を探すことではありません。目的を1つ決めて媒体を1つ選び、出したい本数と撮影の担当を決めることです。そこまで決めれば、見るべき金額は数プランに絞られます。
各媒体のプランと内訳は料金プランのページに、Instagramの金額の決まり方は「インスタ運用代行の料金|月10万〜44万の実額プランと、金額を決める4つの条件」、MEOの金額ごとの違いは「MEO対策の費用相場|月5万・10万・20万で何が変わるのかを分解する」にまとめています。
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