飲食店のインスタ集客|外注先を比べるときに見るべき、飲食ならではの5つの条件

飲食店のインスタ集客|外注先を比べるときに見るべき、飲食ならではの5つの条件

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飲食店のインスタ集客を外注しようと決めて、何社か候補を見比べている段階の方に向けて書いています。先に結論から書きます。飲食店の場合、比較で本当に差が出るのは「撮影を営業のどこに入れるか」と「その投稿が来店まで届く形になっているか」の2点です。投稿本数や見積もりの数字だけを横に並べても、この2つが揃っていない会社とは、契約したあとで必ず食い違います。

私は飲食の現場に10年いたあと、SNS運用代行として独立しました。いまも自分で撮影から編集、分析までやっています。だから、飲食店の運用が他の業種と何が違うのかは、代行する側の実感として書けます。売り込みではなく、他社と比べるための材料としてお使いください。

飲食店のインスタが、他業種と同じ物差しで比べられない理由

SNS運用代行の比較記事はたくさんありますが、そこに書かれている基準をそのまま飲食店に当てはめると、いくつか噛み合わない場所が出てきます。理由は3つあります。

撮影の時間が、営業時間と正面からぶつかる

料理を撮るなら、いちばん良い状態は提供の直前です。ところが、その時間帯は厨房もホールもいちばん動いています。他業種なら「空いている時間に伺います」で済む話が、飲食店では営業のどこに撮影を差し込むかという段取りの問題になります。ここを詰めていない見積もりは、現場が始まってから止まります。

投稿を見た人と、来る人の距離が近い

飲食店は、投稿を見た人が今日か今週のうちに来店する可能性があります。これは強みですが、同時に条件でもあります。投稿の中に、行ける情報が入っているかということです。場所、営業時間、予約の要否。届く範囲が広くても、行き方が分からなければ来店にはつながりません。

作る側の人が、そのまま出演者になることが多い

飲食店のリールは、料理だけでなく作っている手元や店主が映ることが多いです。つまり、撮影に協力する人が営業中の担当者と重なります。他業種のように「広報の担当者に立ち会ってもらう」という分け方ができません。この負担をどう見積もっているかは、会社によってかなり違います。

条件1:撮影を営業のどのタイミングに入れる提案か

ここが飲食店では最初の分かれ目です。見積もりの段階で必ず聞いてください。

「開店前」「アイドルタイム」「営業中」で難易度がまったく違う

開店前は、店内が静かで撮りやすい代わりに、実際の賑わいは撮れません。アイドルタイムは中間ですが、仕込みが入っていれば厨房は動いています。営業中はライブ感が撮れる反面、スタッフに声をかけられる回数が限られます。どの時間帯で撮る前提なのかを言わない会社は、まだ現場を想像していない可能性があります。

1回の撮影で何本ぶんを撮るのか

飲食店の撮影は、営業のたびに人が来るより、1回まとめて撮って数週間ぶんの素材にするほうが現場の負担は軽くなります。月に何本作るかだけでなく、その本数を何回の来店で撮るのかを確認してください。同じ本数でも、月1回の撮影と月4回の撮影では、店側が空ける時間がまったく違います。

撮影時間に、設営と撤収が含まれているか

照明や三脚を立てて片付ける時間は、意外と長くかかります。ここが別カウントだと、実際に撮っている時間が想定より短くなります。当社の場合は機材の設営と撤収を撮影時間に含めていますが、会社によって数え方が違うので、そこは見積もりの前提として揃えておくと比較が正確になります。

条件2:料理の写真と動画が、あとで誰のものになるか

飲食店の場合、撮影素材はSNS以外にも使い道があります。ここが他業種より重要になります。

グルメサイト・自社サイト・店頭で使えるか

撮った料理写真を予約サイトのページに載せたい、店頭のメニューに使いたい、という話は必ず出てきます。ところが契約によっては、SNSへの掲載だけを許諾範囲としている場合があります。これは会社が意地悪をしているわけではなく、単に取り決めていないだけのことも多いので、最初に聞いておくと後で困りません。

編集前の素材(撮って出しのデータ)をもらえるか

納品されるのが完成したリールだけなのか、編集前のデータももらえるのかで、素材の使い回しの幅が変わります。飲食店はメニュー改定のたびに写真が要る業態なので、素材が手元に残る形かどうかは長い目で見ると差になります。

解約したあと、投稿はどうなるか

契約が終わったあと、それまでの投稿がアカウントに残るのか、削除されるのか。ここは会社ごとに考え方が分かれます。契約の終わり方全般についてはSNS運用代行の選び方|代行する側から見た、会社ごとに実務の中身が違う5つの場所で書いていますので、あわせて確認してみてください。

条件3:来店までの導線が、投稿の外に用意されているか

ここが飲食店でいちばん見落とされやすい場所です。

プロフィールに、行き方が全部そろっているか

リールを見た人がプロフィールを開いたとき、店名、場所、営業時間、予約の方法がすぐ分かるか。ここが整っていないと、届いた分だけこぼれます。投稿を作る前に、まずプロフィールを直すという順番を提案してくる会社は、来店を見ている会社です。

地図アプリと検索から来る人のほうが多い場合がある

お店を探している人は、インスタで見つけることもあれば、地図アプリで「近くの居酒屋」と調べることもあります。飲食店の場合、インスタだけを整えても、探している人の入口の半分しか押さえていないということが起こります。この点は次の条件で書きます。

予約が電話だけの場合、投稿からの距離が遠くなる

インスタを見て「行ってみよう」と思った人が、電話をかけるのは少しハードルがあります。予約サイトのリンクをプロフィールに置くのか、DMで受けるのか。ここを決めていないまま投稿だけ増やしても、数字が動いたか判断できません。今日から確認できることとして、自分のお店のプロフィールをスマホで開いて、初めて見る人の目で「今日ここに行けるか」を確かめてみてください。

条件4:MEOとの役割分担を説明できるか

飲食店の外注で、インスタと必ずセットで話題になるのがGoogleビジネスプロフィール(MEO)です。

2つは、取りに行っている人が違います

ざっくり言うと、MEOは「この辺で食べる店を探している人」に見つけてもらうための場所で、インスタは「まだお店を知らない人」に届く可能性がある場所です。前者はすでに行く気がある人、後者はこれから知る人。取りに行く相手が違うので、どちらか一方だけで完結する話ではありません。

「両方できます」の中身を分けて聞く

両方対応と書いている会社は多いですが、実際にどちらに時間を使うのかは提案によって違います。どちらを先にやるべきかを、理由つきで説明できるかで判断してみてください。お店の状況によって答えは変わるはずなので、どの店にも同じ順番を出してくる場合は、理由のほうを聞いてみるとよいと思います。

MEO側で何をやるのかは別の記事にまとめています

MEOでどこまでの作業が発生するのかという分解はMEO対策の費用相場|金額が何で決まるのかを、6つの条件に分解するに書いています。インスタとの併用を考えている場合は、そちらも見ていただくと、2つを合わせた見積もりの読み方がはっきりします。

条件5:数字が動かない期間を、どう説明する会社か

ここは飲食店に限りませんが、飲食店は結果を早く求めやすい業態なので、あえて書いておきます。

反応が無い時期は、実際にあります

私が引き継いだあるクライアントの案件では、コンセプトから作り直したあと、伸びるまで手応えが一切ありませんでした。やっている最中は、効いているのかどうか分からないままでした。それが最近になって伸びて、クライアントも驚いていましたし、正直、自分でも驚きました。手応えの無い期間があったあとに、急に来ることがあるというのは、実感として持っています。だから今も、反応が無い期間をすぐ失敗とは考えないようにしています。

その期間に、何を報告してくるかを聞く

大事なのは、数字が動かない月に何を言う会社かです。「もう少し様子を見ましょう」だけで終わるのか、次に試すことを出してくるのか。ここは契約前に「反応が出ない月のレポートには何が書かれますか」と聞けば、だいたい分かります。

期間の見立てを、先に揃えておく

3か月で判断したいのか、半年見るのか。この見立てが店側と代行側でずれていると、途中でお互いに不満が出ます。契約前に、いつの時点で何を見て判断するかを言葉にしておくほうが、あとの話がしやすくなります。

見積もりの幅を作っているのは、この6つです

候補から返ってきた見積もりに差があるとき、その差はだいたい次のどれかから来ています。飲食店の場合、特に上の3つで大きく動きます。どれも「増えると上がる、減ると下がる」という向きは共通なので、自分の店ではどこを厚くしてどこを削るのかを先に決めておくと、比較が一気にやりやすくなります。

1. 撮影に人が来る回数と、1回あたりの時間

飲食店でいちばん効くのがここです。同じ本数を作るにしても、月1回まとめて撮るのか、週1回ずつ来るのかで、必要な人の時間が変わります。回数が増えるほど上がり、まとめ撮りにするほど下がります。ただしまとめ撮りは、その月に出す料理が月初に決まっていることが前提です。日替わりや週替わりが主力の店だと、まとめ撮りに寄せるほど「撮った頃には終わっているメニュー」が増えます。安さだけで回数を減らすと、ここで詰まります。

2. 制作する本数と、動画か静止画か

月に何本作るかは、そのまま作業量です。加えて、リール(動画)とフィード(静止画)では、1本にかかる時間が違います。「月◯本」とだけ書かれた見積もりは、その内訳を聞いてください。動画8本と、動画2本+静止画6本では、同じ8本でも中身が別物です。

3. 出張と、拠点の数

店舗が遠ければ移動の時間が乗ります。2店舗、3店舗と増えれば、撮影も投稿も店舗ごとに要ります。複数店舗を1アカウントで回すのか、店舗ごとにアカウントを持つのかでも変わるので、いまの持ち方をそのまま伝えてください。

4. 企画と台本まで含むか、素材を渡して編集だけか

店側が撮った写真や動画を渡して編集してもらう形と、企画から考えて撮影に来てもらう形は、別の商品です。前者は安くなりますが、「何を撮るか」を決める仕事が店側に残ります。ここを外注できていないと、結局は毎月ネタを考える負担が消えません。この切り分けについては店舗のインスタで投稿ネタがない|作る前に、切れている場所を上から順に探すに詳しく書いています。

5. 投稿までやるか、納品までか

完成データを渡すところまでの契約なのか、アカウントに投稿するところまでなのか。さらに、コメントやDMへの返信が含まれるかどうか。飲食店はDMで予約や問い合わせが来るので、ここを含めるかどうかは負担の大きさが変わります。

6. 分析とレポートを含むか

作って出すだけの契約と、毎月数字を見て次を決める契約では、かかる時間が違います。レポートが付くと上がりますが、付いていない契約は「続けるか判断する材料」が手元に残りません。安く見える見積もりを見たときは、この項目が抜けていないかを確かめてください。

見積もりを横に並べるための、3つの手順

候補が出そろったら、そのまま比べる前にこの3つをやってください。ここをやるかどうかで、比較の正確さがかなり変わります。

手順1:条件を先に決めて、同じ条件で出してもらう

各社が自分の得意な形で見積もりを出すと、前提が全部ずれます。先にこちらから条件を渡して、その条件で出してもらってください。渡す項目は、上の6つをそのまま使えます。

  • 撮影に来てもらう回数と、1回あたりに空けられる時間(設営と撤収を含む)
  • 撮影に入れる時間帯(開店前・アイドルタイム・営業中のどれか)
  • 1か月に出したい本数と、動画と静止画の内訳
  • 店舗の数と、アカウントの持ち方
  • 企画を任せたいか、こちらで決めたいか
  • 投稿とコメント対応まで任せたいか
  • レポートが要るか

この一覧を作る作業は、外注しなくても今日できます。むしろ、これが決まっていないと見積もりは幅で返ってきます。依頼側で先に決めておくことはSNS運用代行を頼む前に準備するもの|依頼側で先に決めておく5つにまとめています。

手順2:一式ではなく、内訳を分けて出してもらう

「Instagram運用一式」で1行になっていると、何が入っているのか分かりません。初期の一度きりの作業と、毎月繰り返す作業を分けて出してもらってください。そのうえで、毎月の側を「撮影」「制作」「投稿」「分析」に割ってもらうと、どこにお金を払っているかが見えます。

分けてもらったあとに見るのは、合計ではなくどの項目が厚いかです。撮影が厚い会社は現場に来る会社、制作が厚い会社は編集で作り込む会社です。どちらが良いかではなく、自分の店に要るのはどちらかで選んでください。

手順3:含まれないものを、先に聞く

含まれるものは提案書に書いてありますが、含まれないものは書かれません。飲食店で後から追加になりやすいのは、だいたいこのあたりです。

  • キャンペーンや新メニューに合わせた、臨時の撮影
  • 撮影日の変更やキャンセル(店の都合で動かしたときの扱い)
  • グルメサイトや店頭で使うための、素材の追加書き出し
  • 投稿の修正回数(何回まで無料で直せるか)
  • 広告を出す場合の、設定と運用

「これは別途になりますか」と1つずつ聞くだけで、見積もりの読み方が変わります。ここを聞かずに安いほうを選ぶと、あとから追加が積み上がって逆転することがあります。

当社の場合をお知りになりたいときは

当社は一律の料金表を置いていません。上の6つの条件で必要な時間が変わるので、同じ本数でも店によって組み方が変わるためです。条件を伺ってお見積りする形にしていますので、いまの状況をそのまま教えていただければ、この記事に書いた内訳の形でお出しします。料金・お見積りのページから、条件だけでもお送りください。

持ち帰りパーツ:飲食店の1か月の運用スケジュール例

比較するときに「実際どう回るのか」が見えていないと判断しにくいので、飲食店のインスタ運用を月8本ペースで回す場合の1か月の流れを書いておきます。これをそのまま候補の会社に見せて、「うちの場合はどこが変わりますか」と聞く材料にしていただくのが、いちばん使い道があると思います。

第1週:撮る中身を決めて、1回で撮り切る

  • 月初に、その月の看板メニューと、期間限定で出すものを店側から共有する
  • 共有された中から、その月に撮るメニューを絞り込む(全部は撮らない)
  • 撮影日を1日決め、開店前かアイドルタイムのどちらで入るかを確定する
  • 当日、料理カットと調理の手元カット、店内の様子をまとめて撮る
  • 撮影の最後に、次の月に出す予定のメニューがあるか厨房に確認しておく

第2週:出す順番を決めて、前半4本を投稿する

  • 撮った素材から、反応を見たい順に投稿の並びを組む
  • 看板メニューを先に出し、限定メニューは提供期間の頭に合わせて配置する
  • 投稿ごとに、店名と場所が分かる情報が入っているかを確認する
  • 週内に4本を投稿し、コメントとDMの反応を店側と共有する

第3週:後半4本を出しながら、店頭の情報とずれていないか見る

  • 残り4本を投稿する
  • 営業時間や定休日に変更が出ていないか、店側に確認する(投稿と実態がずれるのが飲食店では一番の事故)
  • 売り切れや提供終了が出たメニューがないか確認し、投稿の内容と食い違っていれば対応する
  • 来店した人から「インスタ見ました」と言われた回数を、店側でメモしておいてもらう

第4週:数字を見て、翌月に撮るものを決める

  • その月の投稿を並べて、どのメニューの反応が良かったかを見る
  • 「インスタ見ました」の回数と、投稿の反応が一致しているかを突き合わせる
  • 反応が良かった系統のメニューを、翌月の撮影候補に入れる
  • 翌月の撮影日を、営業カレンダー(宴会予約や貸切の予定)と照らして先に押さえる

この流れの中で、店側が実際に手を動かすのはメニューの共有、撮影日の立ち会い、営業情報の変更連絡、来店時の一言のメモの4つです。ここが4つより増える提案になっているなら、その理由を聞いてみてください。外注しても店側の手間が減らないなら、外注する意味が薄くなります。

まとめ:飲食店で比べるべきは、本数より段取りです

ここまでの5つを、比較のときに見る順に並べ直します。

  1. 撮影を営業のどこに入れる提案か。時間帯と、月に何回来るかを確認する
  2. 撮った素材があとで誰のものになるか。SNS以外で使えるか、編集前のデータは残るか
  3. 来店までの導線が用意されているか。プロフィールと予約方法まで見ているか
  4. MEOとの役割分担を説明できるか。どちらを先にやるかを理由つきで言えるか
  5. 数字が動かない月に何を報告するか。判断の時期を先に揃えられるか

そのうえで、見積もりは条件を揃えて出してもらい、内訳に割って、含まれないものを聞く。この3つをやると、数字の大小ではなく中身の違いとして読めるようになります。

本数と見積もりの数字は並べればすぐ比べられますが、この5つは聞かないと出てきません。逆に言えば、ここを聞いたときの答え方で、その会社が飲食店の現場をどこまで想像できているかは、かなりはっきり分かります。

私自身、10年間いた側なので、営業中の厨房に外から人が入ってくることが、どのくらい負担になるかは分かっているつもりです。飲食店のインスタ運用は、良い投稿を作る技術より、無理なく続けられる段取りを組めるかどうかで結果が変わります。候補を比べるときは、そこを見ていただければと思います。

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