MEO対策の会社を何社か当たっていると、どこも似たことを言っているように見えてきます。「Googleビジネスプロフィールを最適化します」「上位表示を目指します」「口コミ対策も行います」。書いてあることは近いのに、見積もりの金額だけがばらつく。この状態で比べようとすると、結局いちばん安いところか、いちばん話しやすかった人に決めることになりがちです。
先に結論を書きます。MEOの会社を比べるときに実際に差が出るのは、アカウントの権限をどう預かるか、基本情報をどこまで直すか、口コミ返信を誰が書くか、レポートに何が載るかの4か所です。この4つを先に表の欄として決めてしまってから各社の話を聞くと、同じ土俵に乗ります。
私はSNS運用代行を仕事にしていて、MEOも一緒にお預かりすることがあります。つまり比べられる側です。それでもこの4か所は、外から見て確かめられる場所なので、そのまま書きます。
なぜMEO対策は、会社ごとの差が見えにくいのか
作業の大半が管理画面の中で終わります
MEOの作業は、Googleビジネスプロフィールの管理画面の中で完結するものが多くを占めます。営業時間を直す、カテゴリを見直す、写真を足す、投稿を出す。どれも成果物が手元に残りません。記事や動画のように「これを作りました」と見せられる形にならないぶん、何をしたのかが依頼した側から見えにくくなります。
見えないものは比べられません。だから比較の軸を、成果物ではなく作業の範囲と担当に置く必要があります。
「最適化」という一語が、範囲を隠してしまう
提案書によく出てくる「最適化」は、範囲を指す言葉ではありません。営業時間の誤りを見つけて報告することも最適化ですし、カテゴリと属性を一つずつ設定し直して写真を並べ替えることも最適化です。作業量は何倍も違うのに、同じ一語で書かれます。
ここは自分から範囲に言い換えて聞くしかない場所です。「最適化には、こちらで直す作業まで含まれますか。それとも直すべき箇所の報告までですか」。この一言で、見積もりの差の理由がかなり見えてきます。
見積もりが割れているときは、たいてい範囲が割れています
複数社の見積もりが大きく違うとき、片方が高すぎるとか、片方が手を抜いているとは限りません。数えている作業の単位が、そもそも違っていることのほうが多いです。片方は毎月の投稿と口コミ返信を含んでいて、もう片方は月に一度の点検と報告だけ、という並びは実際によくあります。
そして厄介なのは、提案書のどちらにも「MEO対策一式」としか書かれていない場合があることです。中身を分けて聞かない限り、この差は見えません。MEOで何をするのかという前提を先に押さえたい方は、MEO対策とは|地図に出るために、実際はどこを触っているのかのほうが順番として先です。
見積もりの金額を動かしている条件
金額そのものは条件によって動くので、ここではどの条件が増えると重くなり、どれが減ると軽くなるかという向きだけを書きます。向きが分かっていれば、提示された見積もりを自分で読めるようになります。
預かる店舗の数と、アカウントの数
MEOでいちばん素直に効くのがここです。プロフィールは店舗ごとに1つあるので、店舗が増えれば作業もそのぶん増えます。ただし店舗数に単純に比例するとは限りません。写真や投稿を全店で共通にできるなら、増える分は情報の整備と確認だけになります。逆に店舗ごとにメニューも写真も違うなら、ほぼ店舗数ぶんの作業になります。
だから聞くべきは「何店舗までいくらですか」ではなく、「2店舗目以降は、どの作業が増える扱いになりますか」です。
基本情報を、報告までにするか、直すところまでにするか
誤りや空欄を見つけて一覧で報告するところまでか、こちらの管理画面に入って直すところまでか。ここは手間が明確に変わるので、金額にも素直に出ます。報告までなら軽くなり、直すところまで含めれば重くなります。
安く見える見積もりを見つけたときは、まずこの欄を疑ってみてください。手を動かす部分が店舗側に残っているだけ、ということがあります。
口コミへの対応を、どの段階まで受け持つか
返信の型をいくつか作って渡すところまでか、個別の文案を毎回書くところまでか、投稿まで代行するか。段階が進むほど毎月の手間が増えるので、そのぶん重くなります。口コミの件数が多い店舗ほど、この欄の影響が大きくなります。
Google投稿を毎月どれだけ作るか
Google投稿は、本数がそのまま作業量になります。文章だけか、画像も作るのか、告知の内容を店舗側が出すのか代行側が企画するのかでも変わります。本数を減らせば軽くなりますが、投稿は毎月動かす部分なので、ゼロにすると「点検だけの契約」に近づきます。
写真の素材を、撮りに来るかどうか
撮影に人が来るかどうかは、金額を大きく動かす条件です。移動が発生し、拘束される時間が発生するためです。店舗から送った写真を整理して並べるだけなら軽くなりますが、そのぶん撮る手間が毎月店舗側に残ります。
私は撮影も自分でやるので分かるのですが、写真は「用意する人」が決まっていないと、いちばん先に止まる作業です。金額の話としてだけでなく、続くかどうかの話としても、契約前に決めておいたほうがいい欄です。
レポートに、数字の読み解きが入るか
作業した一覧を送るだけなのか、数字を並べたうえで次に何をするかまで書くのか。後者は人が考える時間が乗るので重くなります。ここは「あってもなくてもよい欄」ではなく、翌月の打ち手を自分たちで決めるのか、任せるのかの分かれ目です。
価格帯ごとの分解はMEO対策の費用相場|金額が何で決まるのかを、6つの条件に分解するの記事にまとめてあります。この記事では金額そのものより、複数社を並べたときにどこを見るかに絞ります。
比較で差が出る場所1:アカウントの権限をどう預かるか
オーナー権限を渡すのか、管理者権限で足りるのか
Googleビジネスプロフィールには権限の段階があります。ここを確かめずに進むと、あとで面倒なことになります。
気にしてほしいのはオーナー権限が誰の手に残るかです。オーナーがこちらにあり、代行会社を管理者として追加する形なら、契約が終わったときに管理者を外すだけで済みます。反対に、代行会社側でプロフィールを新しく作られてオーナーがあちらにある状態だと、終わるときに移管の手続きが必要になります。
まだ自社で登録していない場合が要注意
これから始める店舗でありがちなのが、「登録からやっておきます」と言われてそのまま任せる形です。手間は減りますが、誰の名義で作られたのかは必ず確認してください。作業を任せることと、名義まで渡すことは別の話です。
聞き方はかんたんです。「登録後のオーナー権限は、こちらの店舗アカウントに置いてもらえますか」。これで済みます。断られることはあまりないはずですが、答えが曖昧なら、比較表にはその曖昧さをそのまま書いておきます。
解約後にプロフィールがどうなるか
もう一つ、終わったあとの話も先に聞いておくと安心です。管理者を外すだけなのか、こちらで何か作業が必要なのか。投稿や写真は残るのか。MEOは店舗の看板そのものなので、終わったときに看板が自分の手に戻る形かどうかは、始める前に確かめておく価値があります。
比較で差が出る場所2:基本情報をどこまで触るか
見るだけと、直すのは別の作業です
基本情報のチェックは、どの会社の提案にも入っています。ただ中身は二つに分かれます。誤りや空欄を見つけて報告するところまでか、報告したうえでこちらの管理画面に入って直すところまでか。
見つけるだけなら、報告を受けた店舗側が直すことになります。忙しい現場だと、この「あとで直す」がいちばん残りやすい仕事です。直すところまで含むかどうかは、比較表で必ず分ける欄にしてください。
カテゴリと属性は、直す側の判断が要る
基本情報の中でも、メインカテゴリの選び方や属性の設定は、単純作業ではありません。似たカテゴリが複数あって、どれを主にするかで見え方が変わります。ここを「お店の希望どおりに設定します」で終える会社と、候補を出して理由を添えて提案してくる会社では、預ける意味がずいぶん違います。
提案の段階で、今のカテゴリ設定を見てどう思ったかを聞いてみると分かります。すでに見ている会社は具体的な話をしますし、見ていない会社は一般論になります。この差は、話して数分で出ます。カテゴリと検索語のずれについては、Googleマップで上位表示されない|原因を上から順に切り分ける手順にも書いています。
写真は誰が撮るのか、素材はどこから来るのか
写真の追加が入っているとき、その写真がどこから来るのかを確かめてください。店舗が送った写真を整理して並べるのか、撮影に来るのか。撮影に来るなら見積もりの枠が変わりますし、来ないなら店舗側で撮る手間が毎月かかります。
比較で差が出る場所3:口コミ返信を誰が書くか
テンプレートの提供と、返信の代行は違います
口コミ返信は、対応の形が何通りかあります。返信の型をいくつか作って渡してくれる形。個別の口コミに合わせて文案を作り、店舗が投稿する形。文案作成から投稿まで代行する形。
提案書ではどれも「口コミ対応」と書かれます。ここは表の欄を「型の提供」「文案の作成」「投稿まで代行」の3つに割って、各社がどこまでかを埋める形にすると、はっきり差が出ます。
低い評価が来たときの流れを聞いておく
日常の返信より差が出るのが、低い評価が来たときの動きです。誰が最初に気づくのか、店舗に確認を取るのか、その日のうちに返すのか。
店舗側にしか分からない事情が絡む口コミは、代行側だけでは書けません。だから確認の取り方まで決まっているかどうかが、実務では効きます。「低い評価が付いたとき、うちには何時間くらいで連絡が来ますか。返信の前に内容の確認はしてもらえますか」と聞いてみてください。
返信の本数に上限があるか
口コミが多い店舗だと、月に何件まで対応するかで負担がまったく違います。上限が書かれていない提案は、聞けば出てきます。上限を超えたぶんがどう扱われるのかも、あわせて確認しておくと、あとの追加請求でもめずに済みます。
比較で差が出る場所4:レポートに何が載るか
作業報告と、数字の報告を分けて見る
月次レポートには二つの中身があります。今月やった作業の一覧と、数字の変化です。前者だけのレポートは「働きました」の報告で、後者だけのレポートは「こうなりました」の報告です。判断に使えるのは、両方が並んでいて、作業と数字がつながっている形です。
ここは提案の段階で確かめられます。他社の実例でかまわないので、レポートの見本を1枚見せてもらうのがいちばん早いです。実物が出てくるかどうかも含めて情報になります。
MEOで見る数字は、順位だけではありません
順位だけを毎月報告するレポートは、判断材料としては足りません。地図での順位は、検索した人の現在地でも変わります。数字として見ておきたいのは、プロフィールがどれくらい表示されたか、そこから電話・ルート検索・サイトへの遷移がどれくらい起きたか、といった来店の手前の行動です。どこを見て確かめるかはGoogleビジネスプロフィールの使い方|直したあと、どこを見て確かめるかに書きました。
数字が動かない月に何を書くか
これは私自身の実感でもあります。引き継いだ案件をコンセプトから作り直したことがあって、それが伸びたのは最近です。やっている最中はずっと手応えがありませんでした。効いているのかどうか分からない期間が、しばらく続きました。
だから、動かない月の報告に何が書いてあるかは、私は大事な場所だと思っています。動かない月に「引き続き頑張ります」しか書けない会社と、何を試して何が空振りだったかを書ける会社では、次の月の打ち手が変わってきます。契約前に確かめるなら、「数字が動かなかった月のレポートは、どんな内容になりますか」と聞くのが近道です。
見積もりを同じ土俵に乗せるための3つの手順
ここまでの4か所は「何が違うか」を見る話でした。最後に、金額を並べられる状態にするための手順を置いておきます。順番どおりにやると、比較が驚くほど楽になります。
手順1:こちらから条件を先に書いて、同じ紙で出してもらう
各社の様式のまま集めると、単位も範囲もばらばらになります。そうではなく、店舗数、毎月の投稿本数、口コミの対応段階、撮影の有無、レポートの中身をこちらで先に書き、その条件で見積もってくださいと渡します。条件が同じなら、返ってきた金額の差はそのまま中身の差です。
このとき、条件を欲張って書かないほうがうまくいきます。まず「いま必要な最小の形」で一度揃え、そのうえで足したい項目を追加として出してもらうと、何がいくら乗るのかが分かります。
手順2:内訳を、作業の単位ごとに分けてもらう
「MEO対策一式」で出てきた見積もりは、そのままでは比べられません。基本情報の整備、口コミ対応、投稿の制作、写真、レポート。この単位で分けてもらうと、どこにお金を払っているのかが自分で説明できるようになります。
分けられないと言われた場合、それ自体が情報です。中で数えていないのか、数えたくないのか、どちらにしても契約後に範囲の話がしにくくなります。
手順3:含まれないものを、先に挙げてもらう
提案書には「やること」しか書かれません。含まれないものは、聞かない限り出てきません。「この見積もりに含まれない作業を、思いつく範囲で挙げてもらえますか」と聞いてみてください。ここで具体的に挙げてくれる会社は、範囲を自分で把握しています。
よく外に出るのは、撮影、店舗の追加、繁忙期の臨時投稿、キャンペーン用の画像制作、他媒体への転載あたりです。あとで必要になりそうなものだけ、追加になったときの扱いを聞いておけば十分です。
持ち帰り:候補を横に並べるための比較表
ここまでの内容を、そのまま表の欄にしたものを置いておきます。会社に会う前に欄だけ作っておいて、話を聞きながら埋める使い方を想定しています。空欄のまま埋まらなかった欄が、その会社について分からなかった部分です。
権限まわり
- オーナー権限はこちらに残るか(残る/代行側/未確認)
- 新規登録を任せる場合、名義はどちらになるか
- 契約終了時に必要な手続きは何か
- 投稿・写真は終了後も残るか
基本情報まわり
- 報告までか、こちらの画面で直すところまでか
- カテゴリ・属性の見直しが入るか
- 現状を見たうえでの指摘が、提案時にあったか
- 写真は誰が用意するか(店舗提供/撮影あり)
口コミまわり
- 型の提供/文案の作成/投稿代行のどこまでか
- 月あたりの対応本数と、超えたぶんの扱い
- 低評価に気づいてから連絡が来るまでの目安
- 返信前に店舗へ内容確認をするか
レポートまわり
- 見本を見せてもらえたか
- 作業一覧と数字の両方が載るか
- 順位以外の数字が載るか(表示回数・電話・ルート検索など)
- 数字が動かない月に何を書く方針か
見積もりの形
- こちらが出した同じ条件で出してもらえたか
- 内訳が作業の単位で分かれているか
- 含まれない作業を、先に挙げてもらえたか
- 店舗を増やしたときに、どの作業が増える扱いか
- 担当者が同じ人で続くか
この表を全部埋めようとすると、質問がかなりの数になります。全部聞く必要はありません。金額に差がある2社を並べて、埋まり方が違う欄だけを見ると、その差が何の差なのかが浮かんできます。
今日からできること:自分のプロフィールを開いてみる
会社を比べる前に、数分でできることがあります。自分の店舗名でGoogle検索して、出てきたプロフィールを上から見てください。営業時間は合っているか。カテゴリは今の商売と合っているか。写真の一番上に出ているものは見せたい写真か。口コミに返信されていないものが残っていないか。
ここで気になった点をメモしておくと、各社の提案を聞くときの物差しになります。自分が気づいた箇所に触れてくる会社と、触れてこない会社が分かれるからです。事前に見ているかどうかは、そこで出ます。
選び方に迷ったときの優先順位
まず外せないのは権限の話
4つの中で一つだけ先に確かめるなら、権限です。ほかの3つは契約後にすり合わせができますが、権限の形はあとから直すのに手間がかかるためです。
次に見るのは、範囲が言葉で書かれているか
「最適化」「対策」「運用」のような言葉が多く、作業の範囲が数や担当で書かれていない提案は、後から認識のずれが出やすくなります。何を何件、誰がやるのか。ここが書かれている提案は、それだけで比べやすい提案です。範囲の書かれ方をもう少し細かく見たい方は、SNS運用代行の選び方|代行する側から見た、会社ごとに実務の中身が違う5つの場所も同じ考え方で書いています。
金額を並べるのは、範囲が揃ってから
範囲が揃っていない状態で金額だけ並べても、安いほうが得とは限りません。範囲を揃えてから見ると、どこにお金を払っているのかが自分で説明できるようになります。その説明ができる状態が、選べている状態だと思っています。
当社の場合も、店舗数・投稿の本数・口コミ対応の段階・撮影の有無をうかがってからお見積りをお出ししています。条件によって内容が変わるため一律の表は置いていません。何を含められるかの一覧は料金・お見積りのページにまとめています。
まとめ
MEO対策の会社は、サイトや提案書を見比べても差が見えにくい分野です。作業の多くが管理画面の中で終わり、成果物が手元に残らないためです。
比べるときは、次の4か所を先に表の欄にしてから話を聞いてみてください。
- アカウントの権限:オーナーがどちらに残るか、終わったときにどうなるか
- 基本情報:報告までか、直すところまでか。写真は誰が用意するか
- 口コミ返信:型の提供か、文案作成か、投稿代行か。低評価時の流れ
- レポート:作業と数字の両方が載るか。動かない月に何を書くか
そのうえで、同じ条件を書いた紙で見積もってもらい、内訳を作業の単位に分け、含まれないものを先に挙げてもらう。ここまでやると、各社の金額の差が何の差なのかを自分の言葉で説明できるようになります。選ぶ基準を相手に委ねずに済む状態を作ることが、この記事でいちばんお伝えしたかったことです。
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