SNS運用代行の相見積もりを取ったのに、どれが高いのか安いのか判断がつかない。そういう状態で、このページにたどり着いた方が多いと思います。
この記事が答える質問は1つです。「条件がばらばらに返ってきた見積もりを、どう並べれば1社に決められるか」。
先に答えを書きます。相見積もりで比べられないのは、各社の見積もりが悪いからではありません。各社に渡した依頼の中身が揃っていないか、足りない条件を各社がそれぞれの仮定で埋めているからです。だから比べる作業は、見積もりが届く前から始まっています。
先に結論:相見積もりの勝負は、依頼文を1つの版にしたところで半分決まります
見積もりの差の多くは、各社が置いた仮定の差です
「インスタを運用してほしい」とだけ伝えると、ある会社は月の動画本数を少なめに見て、別の会社は撮影に通う前提で見積もります。どちらも間違ってはいません。依頼に書かれていない部分を、自分の得意な形で補っただけです。
その結果、同じ依頼のはずなのに、中身の違う商品が並びます。
総額の欄から見始めると、判断を外します
総額は、範囲と本数と回数を掛け合わせた結果です。範囲が違う見積もりの総額を並べても、何が安いのかは分かりません。総額は最後に見る欄だと考えてください。
この手順が効く比べ方と、まだ早い比べ方
候補が2社から4社ほどに絞れている場合
この記事の手順が一番効くのは、この段階です。社数が多すぎると、依頼文を揃えて送り、質問を返す往復だけで手が回らなくなります。
何を任せたいかが、まだ言葉になっていない場合
このときは相見積もりより先に、自社で何を手放したいかを決めるほうが早いです。依頼側で先に決めておくことは、別の記事で書いています。
知人の紹介などで、1社にしか声をかけない前提の場合
比べる相手がいないので、この記事の比較表は使いどころがありません。ただ、手順2の「仮定を書き出す」だけは、1社の見積もりにもそのまま使えます。
手順1:各社へ渡す依頼文を、1つの版に固定する
依頼文に入れておく条件
見積もりを動かす条件は、おおむね次のとおりです。この欄を埋めた依頼文を、全社に同じ文面で送ってください。
- 媒体(Instagram、YouTube、Googleマップの情報など)
- 月あたりの制作本数と、動画か静止画か
- 撮影に来てもらう回数と、1回の時間
- 拠点の数と、出張が発生するか
- 企画と台本を任せるか、自社で出すか
- 数字の分析とレポートを含めるか
条件が増えると見積もりは上がり、減ると下がる向きに動きます。どの条件がどう効くかを並べて書いた記事もあるので、必要なら合わせて読んでください。
決めきれない条件は、空欄にせず「未定」と書く
空欄のまま送ると、各社が自分の仮定で埋めます。「未定。2つの案で見積もってほしい」と書いておけば、仮定が文面に出てくるので、あとで比べられます。
途中で条件を変えたら、全社に新しい版を送り直す
1社との打ち合わせで「撮影は月1回で足りそうだ」と気づくことはよくあります。そのときは、その会社にだけ伝えるのではなく、依頼文を書き換えて全社に送り直してください。1社だけ条件が違う見積もりが混ざると、比較表が崩れます。
手順2:返ってきた見積もりから「先方の仮定」を書き出す
依頼文に無い本数や回数を、先方が足していないか
見積もりを受け取ったら、依頼文と1行ずつ見比べて、依頼文に無い数字に印をつけてください。印がついた数字が、その会社の置いた仮定です。仮定が多い会社が悪いわけではありません。こちらの依頼が足りなかった場所を教えてくれている、とも読めます。
「一式」の行は、作業の単位に割ってもらう
「運用一式」「制作一式」と1行でまとめられていたら、中に何が何回入っているかを書き出してもらいましょう。割ってもらった内訳は、そのまま手順3の比較表に入ります。
「別途」になる境目を、線で聞く
見積もりには、ここから先は別料金になる、という境目があります。修正が何回目から別になるのか、撮影が何時間を超えたら別になるのか。境目を「どこで線を引いていますか」と聞くと、各社の答えが同じ形で返ってきます。
受ける側から見た、相見積もりの見積もりが揃わない理由
作業の区切り方は、受ける側が決めています
私は今、インスタグラムの運用代行とMEOの運用代行を受けています。やっているのは、企画と台本の作成、編集の指示、投稿作業、月次の分析です。
同じ「運用代行」という名前でも、この中のどこまでを基本に入れ、どこからを別にするかは、受ける側がそれぞれ決めています。依頼側から区切りを指定しない限り、見積もりが揃わないのは自然なことです。
見積もりの低さは、範囲ではなく受ける側の自信で決まることもあります
独立したばかりのころ、私は自信がなくて、金額を自分から下げてしまっていました。作業の範囲は変わらないのに、出す数字だけが下がっていたわけです。
だから、低い見積もりを見たときは、範囲が狭いのか、同じ範囲で低いのかを分けて確かめてください。同じ範囲で低いなら、続けられる体制かどうかを別の欄で見る必要があります。
提案のあとの連絡の速さは、関心の強さだけを表しません
提案資料を見てもらえたのに、そのあと連絡が来ず、私からリマインドする勇気もなくて、そのまま終わったことがあります。
受ける側が質問を返してこないのは、興味がないからとは限りません。比べる期間中は、依頼側から「この点を聞きたい」と1往復を作ってください。その返し方も、比較の材料になります。
持ち帰れるパーツ:相見積もりを横に並べる比較表の欄
比較表は、見積もりが届く前に作っておきます。先に欄を決めておくと、各社の見積もりを読むときに「この欄が埋まるか」を探す読み方になり、目立つ数字に引っぱられにくくなります。列に候補の会社、行に次の欄を置いてください。
前提をそろえる欄
- 見積もりが基づいている依頼文の版(いつ送った文面か)
- 依頼文に無く、先方が補った仮定の一覧
- 「未定」と書いた条件に、何案で答えてきたか
範囲の境目を見る欄
- 「一式」の行が残っているか、作業の単位に割られているか
- 別途になる境目(修正の回数、撮影の時間、本数の上限)
- 自社側に残る作業として、先方が名前を挙げたもの
条件が変わったときを見る欄
- 月の途中で本数を増減したとき、見積もりを出し直すか
- 媒体を1つ足したとき、どの行が動くと説明したか
やり取りを見る欄
- こちらの質問に、答えが返ってくるまでの日数
- 見積もりの前に、先方から自社の事情を聞く質問があったか
- 依頼文の書き直しを送ったとき、新しい版で出し直してくれたか
総額の行は、この表の一番下に置きます。上の欄が埋まってから見る数字です。
並べたあと、1社に決めるときの順番
全社で空欄になった欄は、自社で決めていない条件です
どの会社も答えられなかった欄があれば、それは相手ではなく依頼文の問題です。そこを決めて、もう一度だけ全社に送ってください。
差がつかなかったら、条件が変わったときの扱いで決める
運用を続けていると、本数や媒体は途中で変わります。前提と範囲の欄で差がなかったなら、変わったときにどう見積もり直すかを丁寧に答えた会社のほうが、あとで話がずれにくくなります。
選ばなかった会社にも、短く理由を返す
「撮影の回数の前提が合わなかった」など、欄の名前で1文返すだけで十分です。次に依頼を出す機会があったとき、その会社は最初から条件を合わせて見積もってくれます。
条件が揃ったら、当社にも同じ依頼文を送ってください
当社は、2026年9月時点でサイトに一律の料金表を載せていません。条件の違う案件を同じ表で比べられないためです。
この記事の依頼文をそのまま使っていただければ、他社と同じ形で並べられるお見積りをお出しします。進め方は「料金・お見積り」ページに書いています。条件を伺ってからお見積りします。
この記事と近い話は SNS運用代行の選び方|代行する側から見た、会社ごとに実務の中身が違う5つの場所/インスタ運用代行の料金|見積もりの差がどこから来るのかを分解する/SNS運用代行を頼む前に準備するもの|依頼側で先に決めておく5つ にも書いています。
相見積もりで答えを出すのは、並べる前の準備です
最初の質問に戻ります。条件がばらばらに返ってきた見積もりは、そのままでは並べられません。
- 依頼文を1つの版に固定して、全社に同じ文面で送る
- 返ってきた見積もりから、先方が補った仮定と別途の境目を書き出す
- 先に決めた比較表の欄に入れ、総額は最後に見る
この順で並べれば、見積もりの差が「会社の差」なのか「前提の差」なのかを、自分で見分けられるようになります。今日できることは、比較表の欄だけを先に作っておくことです。
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