口コミに特典を付けるのは違反か、という質問に先に答えます
この記事が答える質問は1つです。「Googleの口コミを書いてくれた方に特典を渡すのは、違反になるのか」。
答えは、口コミと引き換えに渡す形なら違反です。割引でも、無料の一品でも、ポイントでも同じです。
分かれ目は特典の大きさではありません。特典を受け取る条件が「口コミを書くこと」になっているかどうかです。
ルールは2つの層に分かれています
1つはGoogleのポリシーです。もう1つは日本の法律で、景品表示法のいわゆるステマ規制です。
2つは別のもので、片方を守れば足りるわけではありません。この記事では両方を分けて書きます。
書き手の立場と、確かめた時点
私は業務委託で、Googleビジネスプロフィールの運用を受けている側にいます。法律の専門家ではありません。
ここに書くのは、2026年10月時点で私が把握している公開情報です。特典付きの依頼で、制限を受けた店を自分の目で見た経験はありません。
ポリシーも法律の運用も変わります。最新の内容はGoogleの公式ヘルプと消費者庁の公表資料で確かめてください。個別の判断は専門家にご相談ください。
読んで判断が進む店舗と、いまは要らない店舗
外注先の提案に「口コミ獲得キャンペーン」と書かれている店舗
この記事がいちばん役に立つのは、この場合です。提案の中身を、下の手順でそのまま点検できます。
すでに特典を配っていて、続けるか迷っている店舗
やめる判断と、やめたあとの扱いまで書いています。
特典を使わずに頼んでいる店舗
その頼み方なら、この記事の出番はほとんどありません。特典なしで件数を増やす手順は、店舗の口コミを増やす方法|依頼する場面を営業のどこに置くかに書いています。
Googleのポリシーが禁じているのは「見返りと引き換えの口コミ」です
Googleは、口コミなどの投稿についてのポリシーを公開しています。その中に、虚偽のエンゲージメントという項目があります。
割引・無料の品・サービスとの交換
事業者が割引や無料の商品、サービスと引き換えに書かせた投稿は、禁止の対象として挙げられています。
特典が小さくても、扱いは変わりません。「ささやかなお礼だから大丈夫」という線は、ポリシーの文面にはありません。
良い口コミだけを選んで頼むこと
同じ項目で、否定的な口コミを書かせないようにすることも禁じられています。満足した方だけに選んで依頼することも同じ扱いです。
事前のアンケートで評価の高い方だけを口コミ画面へ送る仕組みは、ここに当たります。特典を付けていなくても対象になります。
頼むこと自体は、禁じられていません
口コミをお願いすること自体は認められています。禁じられているのは、見返りと、相手や内容を選ぶことです。
条件を付けずに全員へ同じ言葉で頼むなら、ポリシーの範囲内です。
高評価を条件にすると、景品表示法の話が加わります
ステマ規制は2023年10月に始まりました
事業者が内容に関わった表示を、第三者の感想のように見せることが規制の対象です。対象になるのは口コミを書いた方ではなく、事業者の側です。
星の数や文面を指定した口コミは、店の広告として扱われる場合があります
「星5を付けたら割引」のように評価を条件にすると、口コミの内容を店が決めたことになります。
2024年には、高評価の口コミを条件に割引をした事業者へ、消費者庁が措置命令を出した事例が公表されています。地図上の口コミも、規制の外ではないということです。
どこからが該当するかは、個別の事情で変わります。私には判定できないので、迷う場合は消費者庁の資料か専門家に当たってください。
違反と見なされたとき、店の側で起きること
該当の口コミが削除されます
ポリシーに合わないと判定された口コミは、表示されなくなります。特典を配って集めた件数は、あとからまとめて消える可能性があります。
プロフィールに制限がかかる場合があります
Googleは、虚偽のエンゲージメントが見つかったビジネスプロフィールへの制限を公表しています。私が確認している内容は次の3つです。
- 一定期間、新しい口コミや評価を受け付けなくなる
- 一定期間、既存の口コミや評価が表示されなくなる
- 虚偽の口コミが削除されたことを知らせる警告が、プロフィールに表示される
どのくらいの頻度で適用されるのか、期間がどれくらいなのかは、私は把握していません。件数の実測も持っていません。
責任は、頼んだ外注先ではなく店に残ります
制限がかかるのは店のプロフィールです。法律の対象になるのも店です。外注先が持ち込んだ施策でも、ここは変わりません。
いまの頼み方が線を越えているか、上から順に切り分ける手順
ここが今日から使える部分です。上の段で当てはまったら、下の段へ進む前にそこを直してください。
段1:特典を受け取る条件に「口コミを書くこと」が入っていますか
POPや声かけの文面を、そのまま読み返します。「口コミを書いた方に」「投稿画面を見せた方に」と書かれていれば、ここで該当です。
特典の種類を変えても解決しません。口コミを条件から外すことだけが直し方です。
段2:星の数や書く内容に、条件や指定がありますか
「星5で」「良かった点を書いて」という指定がある場合です。Googleのポリシーに加えて、景品表示法の話になります。
該当するなら、いちばん先に止めてください。重さが1段違います。
段3:頼む相手を、満足度で選んでいませんか
事前アンケートの結果で行き先を分ける仕組みがないかを見ます。評価の高い方だけに声をかける運用も同じです。
ツールを入れている場合は、評価による振り分けの設定を確かめてください。
段4:書いているのは、本当にお客様本人ですか
スタッフや家族、取引先が書いた口コミは、実体験に基づかない投稿や利害関係のある投稿として、別の禁止項目に当たります。
お客様への依頼に見返りが無くても、ここは別に確かめます。
段5:その仕組みを持ち込んだのは誰ですか
特典付きの依頼が、外注先の提案やツールの初期設定から始まっていないかを確かめます。
店が決めた覚えのないまま、条件付きの文面が動いていることがあります。契約書と提案書で、口コミの欄を読み直してください。
段6:すでに配った分を、どう扱いますか
まず掲示と声かけを止めます。次に、いつからいつまで配ったかを記録に残します。
集まった口コミを店の側から消す操作はできません。景品表示法に関わりそうな場合は、早めに専門家へ相談するのが安全だと私は考えています。
特典を使わない頼み方は、どこまで許されるのか
条件を付けずに、全員へ同じ言葉で頼む
評価も内容も指定せず、来店された方に同じ頼み方をします。低い評価が付く可能性も含めて受け取る形です。
来店のお礼は、口コミと切り離して渡す
口コミを書いたかどうかに関係なく全員へ渡すものなら、口コミとの引き換えにはなりません。
ただし、渡す場面と依頼が同じ文面に並ぶと、交換条件に読めます。掲示もタイミングも分けてください。それでも境目は残るので、迷うなら渡さないほうが確実です。
外注先の見積もりで、口コミの欄を読むときの見方
「件数の約束」が入っている提案は、集め方を先に聞きます
口コミの件数は、店も外注先も直接は作れません。約束できるとしたら、その裏に何かの仕組みがあります。
特典、相手の選別、代筆。この3つのどれでもないことを、書面で確かめてください。
費用を動かしているのは、件数ではなく作業の範囲です
口コミまわりの費用は、次の条件で上下します。
- 依頼の導線を設計するところまで含むか
- 掲示物やカードの制作を含むか
- 拠点がいくつあるか
- 届いた口コミへの返信を、誰が何件まで持つか
- 月次の報告に、口コミの増減の読み解きが入るか
範囲が広がるほど上がり、店に残す作業が多いほど下がります。見積もりは同じ条件で並べ、口コミの欄だけ内訳を分けてもらってください。含まれない作業を先に聞くと、あとのずれが減ります。
具体的な金額は、条件を伺ってお見積りします。「料金・お見積り」ページをご覧ください。
この記事と近い話は 店舗の口コミを増やす方法|依頼する場面を営業のどこに置くか/Googleの口コミが表示されない|店で動かせる範囲を上から切り分ける/Google口コミ依頼のQRコードの作り方|作ったあとに確かめる順番 にも書いています。
まとめ:特典と口コミを、同じ条件の中に置かない
最初の質問に戻ります。Googleの口コミに特典を付けるのは違反か。
口コミを書くことが特典の条件になっていれば、Googleのポリシーに触れます。星の数や内容まで指定すれば、景品表示法にも関わります。
違反と見なされると、口コミの削除やプロフィールの制限が起こりえます。その影響は外注先ではなく店に残ります。
今日できるのは、POPと声かけの文面を読み返すことです。段1から順に当てて、当てはまった段で止めてください。
ここに書いたのは2026年10月時点の内容です。判断の前に、公式の最新の記載を確かめてください。
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