この記事が答えるのは、ひとつの質問です。MEO対策を自分でやるか、代行に出すか、どちらを選べばよいか。
先にお伝えすると、この質問はそのままの形では答えが出ません。丸ごと自分でやるか、丸ごと任せるかの二択にすると、どちらを選んでも余りが出るからです。決めるのは、どちらかではなく、どこで切るか。その切れ目の位置が決まると、見積もりも読めるようになります。
私は業務委託で、インスタグラムの運用代行とMEOの運用代行を受けています。受けている側から見ると、契約の中に入っている作業と、入っていないのに誰かがやらないと止まる作業が、はっきり分かれて見えます。その境目の話を書きます。
この仕事は、丸ごとでなくても外に出せます
任せても、店の側に残る作業があります
代行に出したとして、写真を撮る場面に店の人がまったく関わらない形は、あまり現実的ではありません。営業時間が変わったことを最初に知っているのも、店の側です。つまり、任せても店の側の手は完全にはゼロになりません。
自分で続けても、判断のところだけ外に置けます
反対に、管理画面を触るのは自分たちのままで、何をどう直すかの方針だけを外に出す形もあります。口コミの返信も、文面の型を作るところまでを外に頼み、書くのは店の人という分け方ができます。
だから最初に決めるのは、切れ目の位置です
作業の全体をひと塊で見ている間は、比較もできません。どこまでを自分たちで持ち、どこから先を外に渡すのか。その線を引いてから候補を並べると、各社の見積もりが同じ土俵に乗ります。
決める前に、手元に揃っているか確かめたいもの
毎月やっている作業を、書き出したものがあるか
いま自分たちが何をしているのかが書き出されていないと、外に出す範囲を指定できません。代行に出す前の一覧は、契約後に「これは入っていますか」と聞くための原本にもなります。
口コミが、月にどれくらい届いているか
MEOの負担は、届く口コミの数でかなり変わります。月に何件ほど届いているかが分からないうちは、自分でやれるかどうかの見当も付きません。管理画面で数えられます。
返信の文面を、最後に決める人がいるか
返信は、書いた人ではなく店の言葉として読まれます。ここは代行に出しても変わりません。最後に出す判断をする人が決まっていない状態では、どちらを選んでも滞ります。返信そのものの書き方は、別の記事で扱っています。
この3つが空欄の方は、そちらが先です
逆に、この3つが埋まっている方は、この先を読むと判断が進みます。一覧があり、届く数が分かり、決める人がいる。そこまで来ていれば、切れ目はその場で引けます。
店の側にしか持てないものが、いくつかあります
写真は、その場にいる人しか撮れません
地図に載る写真は、撮影に来てもらう形にもできますが、来られるのは決まった日だけです。日々の様子は、その場にいる人しか撮れません。ここは店の側が強い場所です。代行に出す場合も、素材がどちらから出るのかは先に決めておくところになります。
情報が変わった瞬間を知っているのも、店の側です
臨時休業、営業時間の変更、扱いをやめたメニュー。変わった事実を最初に知るのは店の人です。代行側は、伝えてもらってから動きます。連絡の経路が決まっていないと、任せていても反映が遅れます。
書かれた内容が事実かどうかも、店の側でしか確かめられません
口コミに日付や時間帯が書かれていたとき、その日に何があったかを確認できるのは店の中だけです。代行側は、確認の結果を受け取ってから文面を作ります。ここを渡しきることはできません。
外に出して軽くなるのは、時間より「いつ来るか分からない仕事」です
予定に書ける作業は、思ったほど重くありません
毎月決まってやる作業は、慣れれば時間が読めます。投稿を作る、写真を差し替える、数字を見る。これらは予定表に置けます。実際に受けている側でも、決まっている作業にかかる時間は、月が変わってもあまり動きません。
重いのは、向こうから届くほうの仕事です
口コミは、こちらの都合と関係なく届きます。地図の情報に修正の提案が入ることもあります。この種類の仕事は、いつ発生するかが分かりません。自分でやる場合、これが営業時間の中に飛び込んできます。作業の性質が3つに分かれる話は「MEO対策とは」の記事で書いていますので、そちらに譲ります。
私が飲食の現場で見ていた時間の使われ方
私は飲食の現場に10年いました。その間、休憩時間はほとんど取れていません。だから「営業の合間にやればいい」という前提が、現場によっては成立しないことは知っています。手が空く時間があるかどうかは、業種というより、その店の組み方の問題です。
受けている側から見ると、月の重さが動くのはここです
私が担当している月の中でも、時間が膨らむのは予定に入っていなかった用事が入ったときです。決まった作業が増えた月ではありません。自分でやるか出すかを考えるときも、平常月ではなく、そういう月を基準にしたほうが外れません。
自分でやる側に、見えにくい形で乗ってくるもの
覚える時間は一度きりですが、思い出す時間は毎回かかります
管理画面の操作そのものは、覚えることが多くありません。ただ、月に一度しか触らない操作は、次に開いたときに探すところから始まります。この探す時間は、慣れても完全には消えません。
確かめる工程を飛ばすと、直した気になって終わります
私自身、画面の表示だけを見て見落としたことがあります。別の作業では、2つのサイトで同じ仕組みを共用していて、片方だけが正しい設定になっていたことに、何十本も作ったあとで気づきました。片側から見ているとずっと正常に見えます。直したかどうかは、直した画面ではなく、お客様が見る側で確かめないと分かりません。
止まっても、誰も知らせてくれません
自分でやる形には、止まったことに気づく仕組みが付いていません。今月やらなかった、という事実はどこにも表示されません。代行に出す場合でも、報告が来なかった月に気づけるかどうかは、契約の中身次第です。
費用の面から見るときは、何が金額を動かすかで読みます
代行側で金額を動かしているのは、対象の数と手の入る範囲です
店舗やアカウントがいくつあるか、情報のずれを報告で止めるのか直すところまで進めるのか、口コミへの対応をどの段階まで持つのか、地図への投稿を月に何本作るのか、写真を撮りに来るのか、報告に数字の読み解きが入るのか。増えれば上がり、減れば下がります。条件ごとの詳しい内訳は「MEO対策の費用相場」の記事に分けてあります。
自分でやる側にも、数えられる欄があります
こちらは金額の形をしていないので見落とされますが、数えることはできます。毎月かかる時間、口コミが届いてから返すまでに止まる作業、担当が変わったときに覚え直す時間。金額に換算しなくても、時間の欄を作って並べるだけで比べられます。
並べるときは、期間を揃えます
代行の見積もりは月単位、自分でやる負担は日単位で考えがちです。どちらかに揃えてください。半年なら半年で、両方の欄を埋めます。具体的な金額が必要な場合は、料金・お見積りのページから条件を伺ってお見積りします。
全部でも無しでもない、3つの切り方
切り方A:直すのは自分たち、見つけるのを外に
ずれている場所を月に一度見つけてもらい、直すのは店の側で行う形です。管理画面の権限を渡す範囲がいちばん小さくて済みます。そのかわり、直す作業は残ります。
切り方B:書くのは自分たち、型と方針を外に
口コミの返信や投稿の文面は店の人が書き、書き方の型と、書かないことの線引きを外に頼む形です。店の言葉が残るので、読まれ方が急に変わりません。立ち上がりに手間がかかります。
切り方C:日常は外に、写真だけ自分たち
情報の整備と投稿、口コミの下書きまでを外に出し、写真の供給だけ店の側が持つ形です。手は減りますが、写真を渡す約束が守られないと止まります。誰が、いつ、何枚渡すのかを決めておく必要があります。
どれを選んでも、渡す権限の種類は決めておきます
オーナーの権限ごと渡すのか、管理者の権限で足りるのか。そして契約が終わったときに、権限がどう戻るのか。切り方を決めたら、この2点だけは必ず同じ場で確認しておいてください。
持ち帰れるパーツ:候補を横に並べる前に、欄のほうを先に決める
比較するときは、先に表の欄を決めてしまうのが早いです。並べてから何を見るか考えると、各社が強調している場所につられます。
表の作り方
1行が1つの候補です。ここで大事なのは、「自分たちでやる案」も1行として同じ表に入れることです。代行の候補どうしだけを並べると、自分でやる選択肢が比較から外れてしまいます。
先に決めておく欄
- 情報のずれを見つけるのは誰か
- 情報のずれを直すのは誰か(見つける人と同じとは限りません)
- 地図の情報に修正の提案が入ったとき、最初に気づくのは誰か
- 口コミが届いてから、最初の動きが始まるまでの時間
- 返信の文面を、最後に決める人
- 事実確認が必要な口コミのとき、店の側に何を聞く約束か
- 写真を出すのは誰か、月に何枚か
- お客様が投稿した写真への対応が、範囲に入るか
- 渡す権限の種類(オーナーか、管理者か)
- 契約が終わったときに、権限と投稿がどう残るか
- 対象の数(店舗の数と、管理画面の数)
- 担当が変わったときに、引き継ぎに入る作業
- その月に何もされなかった場合、それに気づける場所
- 確認を、ログインしていない状態で行うと決めてあるか
空欄が残った欄が、そのまま次に聞くことになります
提案書を読んで埋まらない欄が出たら、それが質問です。埋まらないこと自体は問題ではありません。埋まっていないまま契約すると、その欄が誰の担当でもなくなります。
今日できるのは、1行目を埋めることです
候補がまだ1社もなくても、自分たちでやる案の行は今日埋められます。上の欄を自分たちの現状で埋めてみて、空欄が多い欄が出たら、そこが外に出す候補です。それがそのまま、切れ目の位置になります。
この記事と近い話は MEO対策とは|地図に出るために、実際はどこを触っているのか/MEO対策の費用相場|金額が何で決まるのかを、6つの条件に分解する にも書いています。
まとめ
MEO対策を自分でやるか代行に出すか。答えは、丸ごとどちらかではありません。写真を出すこと、変わった事実を伝えること、書かれた内容が事実かを確かめること。この3つは、どちらを選んでも店の側に残ります。外に出して軽くなるのは、決まった作業の時間よりも、いつ来るか分からない仕事のほうです。
だから決めるのは切れ目の位置です。見つけるところまでを外に出すのか、型だけを外に出すのか、日常を外に出して写真だけ持つのか。切れ目が決まれば、各社の見積もりは同じ土俵に乗ります。
そして比べるときは、先に欄を決めてください。自分たちでやる案も、同じ表の1行として入れてください。どちらが良いかではなく、どの欄を誰が持つか。その形にしたとき、判断は自分の手元で付きます。
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