SNS運用代行を比べていると、途中でやめられるかどうかが気になってきます。この記事が答えるのは、「契約する前に、途中解約の条件のどこを比べておけば、やめる日に困らないか」という質問です。
先に結論を書きます。途中解約で差が出るのは、請求の計算よりもやめる日の段取りです。作りかけの素材、預けたアカウントの権限、予約済みの投稿。この3つが契約書にどう書かれているかで、やめたあとの手間が大きく変わります。
途中解約で揉めやすいのは、お金より「作りかけのもの」です
運用代行の仕事は、月をまたいで進んでいます
私が業務委託で受けているのは、インスタグラムとMEOの運用代行です。作業は企画と台本の作成、編集の指示、投稿作業、月次の分析に分かれます。
このうち企画と台本は、投稿より先に作る工程です。つまり、ある月にやめると決めた時点で、まだ出していない投稿のための作業が、すでに途中まで進んでいることがあります。
「いつ止めるか」が決まっていないと、双方が困ります
解約の申し出があった日に、撮影済みの素材はどうするのか。予約してある投稿は出すのか、止めるのか。ここが決まっていないと、発注側は「払ったのに受け取っていない」と感じます。受ける側は「作ったのに使われない」と感じます。どちらの落ち度でもありません。書いていなかっただけです。
だから契約書は、やめる日を想像して読みます
始める日の条件は、提案の段階で丁寧に説明されます。やめる日の条件は、聞かないと出てこないことが多いです。候補を比べる段階で、やめる日の条件も同じように並べてください。
この記事で判断できる方と、別の記事のほうが早い方
候補が2社以上あって、契約書のひな形を取り寄せられる方
この記事のチェック項目は、複数の契約条件を横に並べるための欄です。ひな形か利用規約が手元にあれば、そのまま使えます。
何ヶ月続けるかを、まだ決めていない方
最低契約期間がなぜ置かれているのか、期間の中で何が積み上がるのかは、契約期間の記事で書いています。途中解約はその次の論点なので、期間の考え方が決まってから読むほうが迷いません。
すでに契約していて、やめるかどうかを迷っている方
後半に、やめると決める前の確認の順番を書いています。そちらから読んでください。
途中解約の費用が、何で重くなったり軽くなったりするか
この記事では金額を書きません。代わりに、途中解約で発生する負担がどの条件で動くかを書きます。
最低期間の残りを、どう数える契約か
最低期間内の解約に、残りの月の分を求める契約があります。残りの期間が長いほど、負担は重くなる向きです。反対に、最低期間を置かず、申し出の翌月で終わる契約なら軽くなります。ただし最低期間が無いぶん、月々の条件に初期の作業が上乗せされていることがあります。
初めの作業を、どこで回収する設計か
アカウントの設計や企画の型づくりなど、最初に一度だけ行う作業があります。これを初期費用として別に立てているか、月額に分けて乗せているかで、途中解約の重さが変わります。月額に分けている契約ほど、早くやめたときに精算が発生しやすい向きです。
撮影や制作が、どこまで先行しているか
まとめて撮影する形の契約では、数ヶ月分の素材が先にできていることがあります。先行している量が多いほど、途中解約のときに精算の対象になりやすくなります。
具体的な条件でどうなるかは、契約の形によって変わります。当社の場合は料金・お見積りページから、条件を伺ってお見積りします。
申し出の期限と方法は、同じ行に書き出します
「何日前までに」は、何の日から数えるのか
「解約は前月末までに申し出」と書いてあっても、締め日が月末なのか契約開始日なのかで、実際にやめられる月がずれます。申し出の期限は、起点になる日とセットで書き出してください。
申し出の手段が、口頭で足りるのか
書面やメールでの通知を条件にしている契約があります。打ち合わせの場で「やめたい」と伝えただけでは、申し出として扱われないことがあります。どの手段で、誰宛てに送るのかまで確認します。
自動更新があるかどうか
期間が終わると自動で更新される契約では、更新前の申し出を逃すと次の期間が始まります。更新の有無と、更新を止める申し出の期限は、途中解約とは別の行に書いておくと見落としません。
やめたあと、手元に何が戻ってくるか
アカウントのログイン情報と権限
アカウントの権限をどう預けるかは、個人と会社の違いを書いた記事でも触れています。途中解約の観点で確かめたいのは、返却の手順が契約に書いてあるかです。パスワードの変更、外注先の担当者を権限から外す作業、二段階認証の端末の付け替え。誰がいつやるのかが決まっていると、やめた翌日から自社で触れます。
撮影済みで、まだ出していない素材
公開済みの投稿はアカウントに残ります。問題になるのは、撮ったけれど出していない写真や動画です。途中解約のとき、受け取れるのか、編集前のデータなのか、受け取れる期限はいつまでか。この3点を聞いておきます。
予約済みの投稿と、途中の台本
予約投稿が入ったままやめると、解約後に投稿が出ることがあります。止めるのか出し切るのかを、解約の手順に含めてもらえるか確認してください。途中まで作った台本を受け取れるかも、同じ場面で決まります。
分析の数字と、月次の資料
月次の分析資料は、次に頼む相手へ引き継ぐときの材料になります。過去分をまとめて受け取れるか、解約後にどれくらいの期間保管されるかを聞いておきます。
候補を横に並べて比べるためのチェック項目
ここが持ち帰れる部分です。先に欄だけを決めて、各社の契約書やひな形から埋めていきます。空欄が残った場所が、そのまま質問すべき場所です。
- 解約の申し出期限(何日前か、起点はどの日か)
- 申し出の手段と宛先(書面・メール・担当者名)
- 最低期間内に解約したときの扱い(残りの期間の数え方)
- 解約月の作業範囲(その月の投稿は出し切るか、止めるか)
- 初めに一度だけ行う作業の精算の有無
- 先に撮影した素材の扱い(受け取れるか、形式、受け取り期限)
- 途中まで作った企画・台本を受け取れるか
- 予約済み投稿の停止を、誰が行うか
- アカウント権限の返却手順と、完了までの日数
- 過去の分析資料の受け取りと、解約後の保管期間
- 自動更新の有無と、更新を止める申し出の期限
欄を埋めたら、各社を縦に並べて、空欄の数を数えてください。空欄が多い契約は、悪い契約とは限りません。やめる日の話を、まだ詰めていない契約です。契約前に質問すれば、多くは埋まります。
同じ依頼内容で複数社から見積もりを取る手順は、相見積もりの記事にまとめています。解約条件の欄は、その比較表の右側に足すと一枚で見られます。
すでに契約中で、やめるか迷っているときの確かめ方
反応が無いことだけを理由に、すぐ決めない
私が引き継いだクライアントの案件をコンセプトから作り直したとき、伸びるまで手応えは一切ありませんでした。効いているのか分からない時期がしばらく続き、そのあとで急に伸びました。
だからといって、続ければ伸びるとは言えません。言えるのは、反応が無い期間だけでは、効いていないとも判定できないということです。
判定できない理由が、作業の中身にあるかを見る
何を投稿したのか、何を変えたのか、月次の資料で追えるかを確かめます。追えないなら、続けるかどうか以前に、報告の形を相談する余地があります。追えていて、変えたことに対して数字が動いていないなら、やめる判断の材料になります。
やめると決めたら、申し出の前に手順を書き出す
先ほどのチェック項目のうち、6番から10番を先に確認します。申し出を出す前に、素材と権限の受け取りの段取りを担当者と決めておくと、やめた翌月に自社で止まる時間が短くなります。契約の条項の解釈に迷う場合は、最新の契約書と、必要に応じて専門家に確認してください。
やめる条件を先に決めておくと、続ける判断もしやすくなります
「いつ見直すか」を契約前に置く
何ヶ月目に、どの数字を見て続けるかを決めるのか。これを契約前に外注先と共有しておくと、途中解約の話が感情ではなく確認の場になります。
見直しの場で、解約条件をもう一度読む
更新の前や見直しの時期に、解約の欄を読み直してください。契約時の前提と、実際の運用がずれていることがあります。ずれていれば、そこで条件を直してもらえるかを相談できます。
この記事と近い話は SNS運用代行の契約期間|月数ではなく、期間中に何が積み上がるかで比べる/SNS運用代行の相見積もり比較|依頼文を揃え、欄を決めてから並べる にも書いています。
まとめ
最初の質問は「契約する前に、途中解約の条件のどこを比べておけば、やめる日に困らないか」でした。
答えは、請求の計算だけでなく、やめる日の段取りを欄にして並べることです。申し出の期限と手段、最低期間内の扱い、作りかけの素材、予約済みの投稿、アカウント権限の返却。この欄を先に決めて各社の契約書から埋めると、空欄がそのまま聞くべき質問になります。
- 途中解約の負担は、最低期間の残り・初めの作業の回収の仕方・先行している制作量で動きます。
- やめたあとに困るのは、素材と権限と予約投稿の扱いが書かれていない場合です。
- 契約中で迷っているなら、反応の有無だけで決めず、作業の中身が追えるかを先に確かめます。
今日できることは1つです。手元の候補の契約書を開いて、上の11項目のうち何個が埋まるかを数えてみてください。
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